コラムColumn
赤ちゃんを迎える家庭に空気清浄機はいる?いらない?~7日間悩んで出した答え~
はじめての出産を目前に控えた幸せな買い物。小さな小さな服、天蓋をつけたベビーベッド、バウンサーや授乳クッションが鎮座した我が家は、少し前とはまるで別の家になったようだった。しかし出産準備は想像以上にたくさんのものが必要で、ものによっては頭を悩ませることも…。
「出産準備品リスト」に広がる未知の世界
出産準備品は先人たちやメディアによって作られた「出産準備品リスト」を参考にした。きっと同じように多くのプレママ・新米ママたちがインターネット上の叡智に頼っていることだろう。
リストには、はじめて知るようなグッズもたくさんあってわくわくした。
「産褥パッドって何?読み方すらわからん!」
「沐浴剤って必要?」
「短肌着はわかる、コンビ肌着とは!??」
「鼻吸い……え、吸うの…!?」
はじめて知るようなものでも、「これは必要、これは不必要」の判断はある程度自分で出来た。なぜなら自分のライフスタイルをイメージすれば、その製品の必要性はある程度イメージできたから。
私の場合、赤ちゃんの肌に触れたり、口にするようなものは一通り用意した。肌着・沐浴剤・ガーゼ・哺乳瓶・保湿剤などがそれにあたる。
一方で産後の体調などによって個人差がありそうな消耗品は、様子を見ながらネット通販に頼ることを選んだ。産褥パッド、母乳パッドなどがその一例だ。
そんな中、いる・いらないの判断に激しく悩んだものが「空気清浄機」だった。
赤ちゃんを迎える家庭に空気清浄機はいる?いらない?
空気清浄機が赤ちゃんにとっていいものか、悪いものかと考えたら、それは「いいもの」であるに決まっている。しかし我が家にとって必要か否かを考えると必ずしも「必要」とは即答できなかった。なぜなら私も主人も、国民病ともいわれる花粉症すらない健康体だから。アレルギーは遺伝的要因が影響すると聞いたことがあったので、逆にそれなら大丈夫では……とも考えた。
「こまめに掃除と換気してさえいればいい」
「今の日本の空気はキレイだから大丈夫」
「自分がこどもの頃は使ってなかったでしょ?」
「神経質になりすぎても免疫がつかなくなって、ひ弱になるよ」
こんな声も多く、どの意見も確かにそう言われればそうかもしれないと思える節もあるが、実際には赤ちゃんを迎える多くの家庭で空気清浄機が選ばれている。我が家のように遺伝的なリスクが低い家庭だって少なくないはずだ。
ではなぜ赤ちゃんを迎える多くの家庭で空気清浄機が必要とされるのか?
自分に当てはめて考えてみた。
「外気より、室内空気のほうが汚れているらしい」
PM2.5や花粉など有害な外気が侵入するだけでなく、ダニ・カビなど室内特有のアレルゲンもあれば、建材・家具・日用品からも無数の化学物質が発生しているということを知った。確かに私がこどもの頃に比べて、家庭内のペットボトルの数・香料(無香化も含む)の量・合成繊維の服の数なんかは比にならないくらい増えていることを実感している。つまり化学物質やマイクロプラスチックの量も同じように増えているのだろう。私のこどもの頃に空気清浄機はなかったが、私が健康なんだからこどもも平気という自信は持てなかった。
「こまめな清掃・換気なんてできる気がしない」
気密性の高いマンションに住んでいるわりに、排気ガスや虫の侵入、騒音が気になって、窓を開ける機会が極めて少ない。出産直前の衛生観念ハイの状態でさえ自信がないのに、はじめての子育てをしながらこれまで以上に掃除・換気をこなせる気がしない。
と、7日間悩んだ。悩んで調べて、また悩んだ。
悩んだ末に、私は空気清浄機を購入した。
生まれたばかりの赤ちゃんにとって、何が健康を脅かすことになるのか全くわからない。
だからこそ親は、綿100%の服を選んだり、無添加食材を選んだりするのだろう。
空気は服以上に肌に触れ、水や食べ物以上に体内に入る。服や食材のように、空気もできる限りプレーン且つクリーンな状態にしてあげたい。それが赤ちゃんのために空気清浄機を迎えた理由だった。
ねんね~ハイハイの赤ちゃんの生活ゾーンはハウスダストゾーン
生まれてすぐの赤ちゃんは、母体から抗体を受け継いでおり、風邪などにかかりにくい。その自然免疫が徐々に効果を失い始める生後半年~獲得免疫が不十分な2歳くらいの頃が健康上のリスクが高いと言われている。
ちょうどその頃の赤ちゃんはねんねから寝返りを覚え、ズリバイやハイハイ、お座りができるようになり、つかまり立ちを経て、ひとりで歩きはじめる頃。活動量の増加に伴い、生活のメインスペースがベビーベッドや抱っこから、床の上に変わってくる。特に床上30㎝~60㎝あたりが生活のメインスペースだ。
床上30㎝という高さは、ハウスダストゾーンとも呼ばれているそうだ。ハウスダストは空気中を舞い落ちて床に溜まり、人の動きや扉の開閉などの空気の動きで再び舞い上がってはまた床に舞い落ちて……を繰り返す。
つまり最も免疫力が弱い時期の赤ちゃんが、最もハウスダストの濃度が濃いエリアで生活していることになる。その頃の赤ちゃんが落ちている綿埃を口に入れてしまうケースは少なくないらしい。
ちなみに、ホコリ1gの中には約2000匹ものダニ、数万のカビの胞子、花粉などのアレル物質が含まれているそうだ(怖い)。
「こどもが動きまわるようになり、危なっかしいので空気清浄機を使うのをやめた」という話も聞くが、どうやらこの時期のこどもにこそ最も空気清浄機は有用だと思われる。危なっかしい状況は理解できるので、ベビーゲートを使う、壁にくっつけて設置ができるタイプを選ぶ、軽量タイプを選ぶ、チャイルドロックの有無を確認するなど、使用をやめるのではなく、転倒防止や誤操作防止を検討するのがよさそうだ。
赤ちゃんのための空気清浄機、どうやって選ぶ?
ここからは、赤ちゃんのための空気清浄機とはどのようなものか、さまざまな情報をもとに自分なりに考えてみた。
実際の使用スペースよりも広いエリアに対応
エアコンなどの空調家電を想定するとわかりやすいが、冷暖房効果をいち早く得るために、使用スペースよりやや大きいエリアに対応するものを選ぶのではないだろうか。空気清浄機も考え方は同じで、空気清浄機の性能よりも使用スペースのほうが広くなってしまうと、効果が得られにくくなるらしい。つまり、実際の使用スペースより大きいエリアに対応したものを選ぶほうが効率的ということだ。
自動運転モードが搭載されている
センサーによる自動運転モードがあると便利そう。特におむつ替えの時、自動的にニオイを感知して運転パワーを上げて除去してくれれば、立ちこめたニオイもすぐに処理してくれるだろう。
フィルターは清掃の手間がかからないタイプがいい
空気清浄機のフィルターは長期交換不要というイメージがあったが、何年間も完全にほったらかしでいいわけではなかった。手入れをしながら長く使うか、一定期間でまるっと交換してしまうかの2つのタイプがあるようだ。フィルターが汚れると性能が落ちたり、嫌なニオイの元になったりするであろうことは想像がつく。赤ちゃんがいる家庭で、その汚れたフィルターを十分にキレイにすることができるだろうか?フィルターを定期的に清掃するのは、手間を鑑みても衛生面を鑑みても理想的ではないように感じた。
湿度と空気清浄は別々に
空気清浄機を選ぶとき、加湿機能の有無は大きな判断の分かれ道だ。湿度コントロールは、赤ちゃんに限らず大人の感染症対策としても有効なことは周知の事実だが、空気清浄機と一体化しているべきか否かは熟考した。利点としては、省スペースやコストパフォーマンスに優れる点だが、その反面、構造が複雑になりお手入れがしにくくもなるようだ。加湿器は清潔に使わないと逆に健康被害を引き起こすリスクがあることをニュースなどで見知っていたので、お手入れのしやすさを重視した結果、空気清浄機と加湿は別にしたほうがよさそうだと判断した。
結論。買ってよかった、空気清浄機
花粉症などの悩みがない私の場合も、空気清浄機の恩恵をこんな所で感じている。
●家具や家電、観葉植物など面倒な場所の掃除の手間が軽減した。
●風量をあげてサーキュレーター代わりに。室内干しも安心。
●エアコンを控えめにしても空気が循環するので快適に過ごせる。
●空気清浄機を導入したことで、家全体の衛生意識が向上した。
●周りでは口呼吸のこどもも目立ってきたが、上手に鼻呼吸が出来ている。
このほかにおそらく空気清浄機の恩恵だと思われるのが、肌のかゆみが軽減したことだ。私は前述通りアレルギー等の悩みはないが、肌が刺激に弱く、いつもどこかに痒みを感じていた。今思えばハウスダストや花粉などの刺激を肌で受けるタイプだったのかもしれない。これは個人によって感じ方が異なるものだとは思うが、私の思いがけない釣果のひとつとしてご紹介したい。
我が家の空気清浄機はブルーエア
我が家ではBlue 3410 (適用床面積~35㎡)を20畳ほどのLDKで愛用している。本体360度、高さの2/3がフィルターという斬新な構造で、35畳に対応する空気清浄機としてはかなりコンパクト。そして驚くほど軽い。円柱形の特徴として一部を壁にくっつけて設置してもかなりの広さの吸引口を担保できる。
付加機能がほとんどない入門編的なモデルなので、「高級空気清浄機」のブルーエアが手軽な価格で手に入る。機能面、使い勝手、デザイン、コスト面すべてにおいて満足度の高いおすすめの1台だ。
Text by こじま 苗
ブルーエア空気清浄機
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