コラムColumn
こどもの成長とともに、加湿器選びが変わった話

秋から冬、そして春先まで我が家を悩ます「肌の乾燥」。3歳になる息子も私もめったに風邪すらひかない健康体だが、肌が弱い。特に乾燥や花粉に弱い敏感肌で、発疹、かゆみ、カサつき、肌荒れ、粉ふきなどに毎年ひどく悩まされている。特に息子は関節や背中にブツブツとした乾燥性発疹ができやすく、かきむしって出血してしまうこともしばしば。乾燥肌一家の我が家にとっては、肌の保湿と部屋の加湿は同じくらい欠かせない対策だ。
必需品ともいえる加湿器の買い替えを決意
これまで使っていた加湿器は単機能の製品で、白い蒸気で加湿する「スチーム式加湿器」だった。しかし生活必需品ともいえる加湿器に対し、子の成長に合わせてプチストレスが生まれてきた。
それは、生活習慣と製品の相性だ。
我が家のわんぱくは、蒸気を怪獣に見立てて戦ったり、口を開けて蒸気を浴びたり、走ってぶつかったりの繰り返し。子の生活圏から逃げるように、加湿器は徐々に部屋の隅へ隅へと場所を追いやられ、結果的に十分な加湿効果が発揮できないハメに…。こどもの乾燥肌対策なのにこれでは意味がない!
我が家の加湿器はすでに4年ほど使ったところで、一般的な買い替え時期にもあたるそうだ。それを知って、生活習慣に合った製品への買い替えを検討し始めた。
しかし、正直、加湿器=蒸気で空気を潤すものだと思い込んでいた節がある。
今回買い替えを決意して調べ始めるまで、スチーム式以外買ったこともなければ、思い描くこともなかったが、よく考えるとプチストレスは使用面でもいくつかあったことに気付かされる。そのうえで、加湿器を買い替えるための条件を自分なりに洗い出してみた。
プチストレスを緩和!加湿器はこうあってほしいチェックリスト
- こどもがいても安心・安全に使いたい
- 一部分の加湿し過ぎを解消し、空間の湿度ムラを解消したい
- 加湿のための蒸気を空気清浄機が感知してしまうのを解消し併用しやすくしたい
- タンクを取り出すタイプの水の補給方法は重いし面倒
- 手入れには可能な限り手間をかけたくない
- とにかくカビが嫌いだし怖い。除菌性能も重視したい
加湿器か?加湿空気清浄機か?こどものいる家庭ではどっちを選ぶ?
以前の私なら単機能一択だっただろう。加湿機と空気清浄機は機能が異なるのだから同じ筐体に収まっていいはずがない。シンプルであればあるほど壊れにくく、手入れもシンプルになるはずだ。しかし今回あえて複合タイプを検討テーブルに乗せたのは、前述した「加湿器はこうあってほしいリスト」を満たすのは、必ずしも単機能タイプとは限らないと気付いたからだ。
加湿器を選ぶメリット・デメリット
まずは単機能 加湿器のメリットを挙げてみる。
- 加湿能力が高い → 加湿に特化しているため、短時間で部屋の湿度を上げられる。
- シンプルな構造で掃除がしやすい → スチーム式や超音波式は特に手入れが簡単。
- 比較的安価で導入しやすい → 機種によるが、加湿空気清浄機より低価格なものが多い。
一方、加湿器のデメリットとしては以下のようなことが考えられる。
- 空気清浄機能がない → 加湿のみの機能なので、花粉やホコリ、ウイルス対策は別の機器が必要。
- 加湿のし過ぎによる結露やカビのリスク → 加湿能力が高い反面、窓の結露やカビの原因になるリスクが高い。
- 加湿ムラがおきやすい→特にスチーム式では広い空間を均一に加湿するのは難しい。
加湿空気清浄機を選ぶメリット・デメリット
次に、加湿空気清浄機のメリットを挙げてみよう。
- 空気清浄と加湿を同時に行える → 1台で加湿に加え、ホコリ・花粉・ウイルス対策ができる。
- 気化式が多く、安全性が高い → 水蒸気を直接放出しないため、やけどや結露の心配が少ない。
- フィルターを通して清潔な加湿が可能 → 雑菌や汚れが水と一緒に拡散されにくい。
- 湿度ムラが少ない→LDKのような広い場所でもムラなく湿度が保てる
- オールシーズン使える→季節ごとに出したりしまったりする手間が省ける
同じく、加湿空気清浄機のデメリットも考えてみる。
- 価格が高め → 高機能なぶん、加湿器単体よりもコストがかかる。
- 定期的なフィルター掃除が必要 → 放置するとフィルターにカビや汚れが溜まり、性能が低下。
- 加湿能力は単体の加湿器に比べるとやや劣る → 気化式が主流のため、スチーム式加湿器ほどの即効性はない。
- 本体が大きい→2つの機能を持つため、単体の製品と比べると本体サイズが大きくなりがち
こどもとの暮らしを優先し、我が家の選択は加湿空気清浄機
「加湿器」「加湿空気清浄機」、それぞれ特徴的だが、我が家では今回の買い替え条件をより多く満たす「加湿空気清浄機」を選んだ。こどもと過ごす環境の安全と、湿度ムラの改善、空気清浄機は我が家には必須であることを鑑みた結果、加湿空気清浄機が合理的だと判断した。
加湿空気清浄機の最大のデメリットは、手入れのしにくさと、そのせいでカビや雑菌の繁殖リスクが高いことだろう。私自身もそう感じているが、このリスクに対して納得感のあるアプローチをした製品に出会えたことが大きい。
選んだ商品は空気清浄機メーカーであるブルーエアが手掛ける加湿空気清浄機「Blueair 2-in-1 加湿空気清浄機 DH3i」。正直この製品でなければ、加湿空気清浄機を選んだかどうかわからない。
加湿フィルターはあらかじめ抗菌が施されており、水タンクとは完全に分離した構造、UVライトによる除菌機能、微風をあてて加湿フィルターを自動的に乾燥させる機能などを搭載しており、水による雑菌のリスクに対する手が尽くされている。そして肝心の水に触れるタンクやポンプも凹凸のない形状で、掃除のし残しなんてできそうもないくらいシンプルだ。
複合タイプで懸念される「空気清浄機能」も、ブルーエアらしいパワフルさが踏襲されており、もちろん申し分ない。
我が家はもともとブルーエアの空気清浄機を愛用しており、ブルーエア=単機能の印象があったため、加湿空気清浄機の登場はあまりにも意外だったが、「湿度も空気の質の一つとして一元管理するべき」という考えは「空気環境のプロ」らしい視点で共感を感じた点でもある。
ブルーエア 2-in-1 加湿空気清浄機の実力とは
目に見えないが確かな加湿力
目には見えない気化式の加湿方式になったことで、本当に加湿しているのか半信半疑ではあったが、本体から直線距離で4mほど離れたワークスペース付近にある湿度計も本体とほぼ近似値を示し、ムラのない加湿能力を実感できた。床や壁が湿ることもなく快適だ。
朝一番の起動時などは、風量を強めにして加湿のスピードもあげて使っている。もちろんこどもが敵とみなして戦うこともなく、ほぼ無関心でいてくれるのもありがたい。
天面からのラクラク給水
ブルーエアの加湿空気清浄機は、液晶部分に水を注ぎ入れる構造。これまではタンクを取り外してまた取り付けてという作業を1日に1,2回やっていたのだが、給水回数も1日1回やるかやらないか程度に軽減できている。
何よりこの「液晶に向かって水を注ぐ」という背徳感のある行為は何度やってもドキドキする。こどもにとっても緊張感のある作業のようで、給水したがるわりにビクビクするという姿が堪能できる(かわいい)。
メンテナンスも簡単
前述もしたが、給水タンクはつるんとしたシンプルな形状で掃除しやすい。UVランプのおかげか、はじめてのタンク掃除は10日後くらいに行ったが、ヌルつきや謎の浮遊物もなく衛生が保たれているのが感じ取れた。
確かな空気清浄性能
2-in-1でありながら、単機能空気清浄機とひけをとらないほどのブルーエアらしい分厚く存在感のあるフィルターが3か所に備わっている。一般的な加湿空気清浄機とは違い、加湿機能を付けても空気清浄機能を全く犠牲にしていないことがよくわかる。
ライフスタイルに合った製品を選ぼう
正直、数ある製品の中から「一番いい製品」を選ぶのはなかなか難しい。
加湿器の場合、加湿力を重視すれば電気代や安全面でトレードオフが出やすい。空気清浄機の場合も、パワーを重視すれば本体サイズが大きくなりがちだ。コストだけを重視すればスペック不足ですぐに買い替えることにもなりかねない。
だからこそ、「一番いい製品はどれ?」ではなく、「”自分にとって”一番いい製品はどれ?」という視点で選ぶことが重要なのだと思う。
今回私の場合は、現状のプチストレスをベースに条件を挙げて検討したが、このように、自分の暮らしや理想をベースに、製品スペックを当てはめることが、満足できる製品に巡り会えるコツなのではないかと学んだ経験だった。
Text by こじま 苗
ブルーエア空気清浄機
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