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CPOサラ・アルセンが考えるブルーエアときれいな空気の話

2020.02.13インタビュー

ブルーエアがグローバルで取り組む活動”Clean air for children”(こどもたちのためにきれいな空気を)。その発起人であり、自身も母親としてプライベートでも子育て中、空気のきれいさこそが子どもにとって大切だと実感するブルーエアCPO(チーフパーパスオフィサー)のサラ・アルセン。そんな彼女にあらためて、きれいな空気に対する考え方を聞いてみました。

空気清浄機のグローバルリーディングカンパニーであるブルーエアのCPO。「Clean air for children」を牽引。次世代を担うこどもたちのため、グローバルチャイルドフォーラムなどの組織を支援しているほか、こどもたちを大気汚染の危機から守る必要性を掲げる国連グローバルヘルスや医療・環境委員会の活動にも取り組む。既婚で2人のこどもを持つ母親でもある。

花粉が悪者みたいに取り上げられますが
実は大気中の汚染物質が増えたことこそ問題なのです

当然ですが空気は世界中どこにいっても基本的には無色透明で、日常あまりその存在自体を意識することはありませんよね。存在を意識する時というのは、例えば花粉症の症状が出始めた時期など、自分にとって周辺の空気が汚れているな、不快だなと感じた時だけだと思うんです。

最近、日本でもアレルギー疾患に悩まれる患者さんが増えていると聞いています。まさに今だと花粉症がその代表例で、ニュースなどでも毎日大きく取り上げられますが、それはなぜでしょうか?

太古の昔からおそらく花粉自体はずっと大気中に存在していました。ですが、近年になって急に悪者のような扱いを受けています。実は花粉自体に問題があるのではなく、本当は大気中の汚染物質、その比率が高まってきたことこそ問題なのです。

アレルギー反応を引き起こしやすくしているのは、人間が社会生活を営む中で自ら放出し続けている汚染物質だったり、それらが付着したほこりです。空気をきれいにするためには、それらをスピーディーに除去していくことが最も大切だと我々は考えています。イオンなどを放出して不活性化するといった場当たり的な対応ではなく。

免疫力の低い子どもたちにとってウイルスやバクテリアが
増殖しやすい環境を与えるというのはどうなのでしょうか?

弊社の調査によると、日本市場にある空気清浄機の75%が加湿器などを搭載した複合機ということで、空気清浄に特化した専用機は残りの25%という比率になっております。でも、弊社が考える最良の空気清浄機というのは後者、つまり100%空気清浄の機能を有するものです。我々は空気清浄機専業メーカーとして、「加湿器の機能が半分、空気清浄機の機能が半分」といったものでは、十分な空気清浄性能が出せないと確信しているからです。

空気を汚染する物質としてバクテリアやウイルスといったものも挙げられますが、これらは水を使用する加湿空気清浄機だと当然発生しやすくなります。人間が快適に感じる湿度や室温の上昇で、こういったものはさらに増殖しやすくなってきます。きれいな空気を得たくて空気清浄機を使用しているのに、自ら不快な空気を生み出すリスクを高めるというのは、ちょっと矛盾するのではないでしょうか?

特に保育園や幼稚園などに通う幼い子どもの多くは、ウイルスやバクテリアに対しての免疫力がまだまだ弱い状態です。しかも、子どもたちは無邪気にいろいろなものに触れたりするため、自身がそういったものを知らず知らずに持ってきてしまう可能性も高いわけですよね。そんな状況下で加湿空気清浄機を使用するのはどうでしょうか? 子どもたちに対してリスクを高めるだけですよね。それよりは100%空気清浄に特化した空気清浄機を使う、より高性能の空気清浄機を使うことこそが重要なのではないでしょうか。

きれいな空気こそが一番健康にもいいわけで
それを生み出すことがブルーエアの考えなのです

最近はインターネットと家電を接続する考え方や、テクノロジーで健康になるといった考え方も一般的になってきました。でも、それらはあくまで人間生活の利便性を高めるという点には寄与しますが、本当に大事なことは自然な状態をいかに作り出すかにあると思っています。

自然のあるべき姿を追求していくと、人間にとって有害となるものは少しずつ消えていくのではないかなと思いますし、例えば私たちが食べるものも、古来から、あるいは石器時代のころから先祖が食べていたような食事などに変化していくのかなと思っています。人間って本来そういう生活をしていた動物だと思いますので。きれいな空気というのも、もちろんそのひとつ。

集中しやすい、リラックスしやすい空気をデザインすること、空気に新しい価値をプラスして提供することなど、我々も空気清浄機専業メーカーとして研究はしているものの、現状それを製品化する予定はまだありません。なぜなら、やっぱり一番重要なのはきれいな空気であることだと考えるからです。

空気になにかを追加するという行為は、まるで食品に対して添加物を加えるようなもので、個人的にはそれって不自然で健康にも害をもたらすのではないかなとつい思ってしまうんですよね。やはりきれいなものを摂取する、きれいなものを食べて、きれいな空気を吸うことが結局一番身体にいいのではないでしょうか。

人間はこれまで食品にいろいろな添加物を加えて、これが健康にいい効果をもたらすであろうと期待してきました。けれども、最近になってさまざまな悪影響も確認されるようになってきています。例えば、牛乳やチーズの低脂肪化といったものも良かれと思ってやってきたものが、実はそれが健康のバランスを崩すことになりかねないといった研究結果も出てると聞いています。

きれいな空気に変化球はありません。私たちは純粋に空気清浄機できれいな空気を皆様に届けることが目標です。もし本当にきれいな空気だけの世の中になったならば、弊社製品のニーズは無くなるでしょうし、私たちは廃業することになるだろうと思っています。私たちは、早く私たちが必要とされなくなる時代が来ないかなって楽しみにしています。

Text by 滝田勝紀