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【イベントレポート】『こどもかいぎ』フォーラムで対話の本質について考えた

2022.07.13エッセイ
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7月22日から公開予定の映画「こどもかいぎ」。本作は“日本中で子どもの発言・対話の機会を作っていきたい”という豪田トモ監督の想いのもと、ある東京郊外の保育園を1年間にわたって追いかけたドキュメンタリー映画です。

公開に先駆けて行われた7月2日に行われた「第一回『こどもかいぎ』フォーラム」の模様を、私・奈津子が一人の息子を持つ親目線で取材し、感じたことを交えてお届けします。

映画こどもかいぎ』ショートバージョンの鑑賞を受けて


対話によって「思考力」と「コミュニケーション能力」を育むことが目的とされており、先生は進行役としてサポートに回ります。


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作品の舞台である保育園では2018年春より、年長組を中心に5~6人でさまざまなテーマについて話し合う“こどもかいぎ”というプログラムが実験的に導入されています。
対話によって「思考力」と「コミュニケーション能力」を育むことが目的とされており、先生は進行役としてサポートに回ります。

年齢的に、集中力が持たずに輪から外れて遊び始めてしまうこどもも一部いるものの、回を重ねていくうちに、お互いの話にしっかりと耳を傾けていくこども達の変化が窺えました。


対話によって「思考力」と「コミュニケーション能力」を育むことが目的とされており、先生は進行役としてサポートに回ります。


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会議のテーマは多岐にわたり、【この夏、楽しみにしていること】というライトなものから、【どうして生まれてきたのか】【家族とは】【死とは】など、大人から見ても重く感じられるような内容まで、広く展開されていきます。

印象的なのはこども達の自由な発想力と、その真っ直ぐなワードセンス。

【争い】について語っていくなかで、戦争にまで話が及んだ際、こども達からは『言葉で言えばいいのに、なんで鉄砲を持ち出すの?』とか、『争うんじゃなくて握手すればいいのにね』といった言葉が漏れていました。

うんうん、本当だよね。

真理過ぎて、このシーンだけでも日本中の政治家が観ればいいのにな、と思いました。こども達が感じる当然の問題を、なぜ私たち大人は、複雑にして湾曲させて利己のために実行してしまうんでしょうか。

一方で、『ケンカしないと仲良くなれないよね』という、異なる切り口の意見が出てきたり、『ケンカするとママは別れるって言って、パパは嫌だ、ごめんなさいって言う』など、親としては耳を塞ぎたくなるような(?)かわいらしい家庭内の暴露まで!

同保育園のユニークな点は“こどもかいぎ”だけにとどまりません。 

園児同士で揉め事が起きた際、向かい合って話し合いの場を持つのが“ピーステーブル”という空間です。

口論の流れで初めはヒートアップしていたこども達も、机を挟んで想いを伝え合うことで少しずつ落ち着いていく様子が伝わってきます。

うわあ、この制度、よいなあ。

いまの日本社会でも導入してくれないかなあ。

やっぱり、大人もこどもも人間同士だから、気持ちがすれ違うことで、どうしても摩擦が生まれることはあって。

私も職業柄、インターネット上で匿名の方に傷つくことを書かれたり、仕事相手の方とも必ずしもスムーズにいくことばかりではないんですけど。でも膝を突き合わせて話し合うことで、お互いを認め合えること、受け入れあえることってきっとあるよなあと。

もちろん社会にでたら毎回は難しいと思うんですけど、こどものうちから対話することが身近になると、伝え方のバリエーションも増えそうですよね。


園長のクラッキー先生


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『経験したことを言葉にすることがまた経験になっていく。表現の仕方はその子の個性であり、そこに多様性を見出していき、お互いに面白がれることが大切だと思います』と園長のクラッキー先生は話します。

私は、この作品を通して、こども達のようにシンプルに考えること、そして自分の考えと他者の想いをより大切にすること、ディスカッションの重要性を教えられた気がします。

リアルこども会議、はじまる

映画の上映後には、壇上にこども達を招いて、“リアルこどもかいぎ”が展開されました。


ここでは俳優のつるの剛士さんが進行役となって、こどもたちに聞いていきます。


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『哀しいときも、良いことばっかり考えるのが幸せにつながるんじゃないかな』という真っ直ぐな意見がかわいらしい声で現れたかと思うと『人生って辛いことも、楽しいことも、喜怒哀楽がたくさんあって道みたいだなって思う』など、深い言葉が次々に飛び出します。

こども達って、実は多くのことを考えているんだぁ・・と、大人目線で感じる自分もいる一方で、ふと、そういえば、私も色んな想いを抱えて生きていたなと、こども時代の思考回路が蘇ってきました。

こども達だけでなく、負けじと大人達も語り合います。


登壇者は「こどもかいぎ」監督の豪田トモ氏をファシリテーターに、野田聖子氏(こども政策担当大臣で衆議院議員)、つるの剛士氏(俳優で幼稚園教諭二種免許の資格を保持)、大豆生田哲友氏(玉川大学教育学部教授)の4名。


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最も印象的だったのは【未来のこどもたちにどういう社会を残していきたいか】という問いに対する三者のコメントです。

『こども達の自己肯定感を育み、自分たちには未来を変える力があると分かって欲しい。そのためにはこどもたちそれぞれの個性を尊重し、リスペクトすることが必須だと思う』(大豆生田氏)

『大人達が生きることを楽しむことが、こどもたちに明るい未来を信じさせることに繋がると思う。社会は歯車で回っていると思うので、こどもたちそれぞれの長所を見出して役割を教えてあげられたら(つるの氏)』

『息子とは血が繋がっていないが血縁関係だけが全てではないと思う。生みの親だけでなく、福祉やこどもを支える人たちみんなが親のような存在になっていけるような概念が広まっていけばいい(野田氏)』

現代は、ともすれば、周りと比較してしまい自信をなくしてしまったり、明るい未来を想像しづらいシーンも多いですよね。

けれども、親世代である私たちが、こどもたちのことを尊敬し、今をしっかりと楽しむこと。

そしてコミュニティ全体で育児をするような、おおらかな感覚を持つことで、未来を担うこどもたちの生きる世界をより良くできることに繋がるのかもしれません。

映画の鑑賞と対談を通して、改めてこども達の未来について考える日となりました。

なお、映画「こどもかいぎ」は私も愛用するスウェーデン発の空気清浄機のメーカーBlueairが企業サポーターとして協賛しています。
Blueairは世界中のこどもにきれいな空気を提供する”Clean air for children(こどもたちのためにきれいな空気を)”というCSR活動を展開していて、ここ日本でも「こどもの空気研究所」を立ち上げ、空気環境改善の提案を通じてこどもたちの健康と未来を考える啓蒙活動を行っています。

「こどもの空気研究所」にはこどもと一緒に考えたいテーマもたくさんあるので、映画「こどもかいぎ」と併せて、こどもの対話や、こどもの成長を見つめるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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家電女優
奈津子

女優、タレント。SDN48在籍中、劇場近くの電気街で多くの家電に触れたことでその魅力に開眼。アイドル卒業後「家電アドバイザーGOLD等級」を取得し様々な媒体へ家電女優として出演中。150台以上の家電と1歳の息子、夫と共に暮らす。インスタグラムは「natsuko_kaden」YouTubeは「奈津子の家電クリニック」。