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その使い方もったいない!空気清浄機のNG 5連発

2026.02.10エッセイNEW
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空気清浄機は、「置いておけば空気が勝手にきれいになる家電」だと思われがちですが、実際には使い方次第で性能が大きく変わる精密機器です。筆者は家電スペシャリストとして、これまで多くの空気質研究施設やメーカー本社で取材を重ねてきましたが、家庭での使い方を見ると、性能を下げてしまっているケースは少なくありません。ここでは、ついやってしまいがちな“空気清浄機のNGな使い方”を5つピックアップして、正しい使い方について解説します。

NG① 壁沿いにぴったりと設置する

もっとも多い誤解のひとつが「部屋の隅にピタッと置く」パターンです。空気清浄機は、空気を吸い込み、フィルターで処理し、前面や上面から排気することで空気を循環させています。そのため吸気口や吹き出し口が壁や家具に近づきすぎると、空気の通り道が塞がれ、風量が低下し、処理効率が落ちてしまいます。

背面吸気+上面排気のモデルを“壁ピタ”で置くケースは非常に多いですが、背面や側面には数センチでも空間を確保した方がよい理由はここにあります。ブルーエアの空気清浄機はサイドテーブルとして機能しながらもデザインはインテリアに馴染むものあったり、360°効率的に汚れた空気を吸い込んで、きれいな空気を排出するものが多く、なるべく空気の流れを妨げない場所に置いて、快適に使うことをおすすめします。

空気清浄機は「風で空気を動かす家電」だという前提に立つと、置き場所の大切さがよく理解できます。

NG② “床から高い場所”に置く

棚の上や腰高のラックに空気清浄機を置く家庭も少なくありません。確かに掃除の邪魔にならなかったり、インテリア的にはすっきりしますが、これも実は性能面では非効率です。空気中の粒子状物質は重力の影響を受けるため、いったん空中に漂ったあと床付近に沈み滞留します。

花粉やPM2.5やホコリなどは特にその傾向が強く、床から30〜50cmほどの高さが最も粒子濃度が高いとされます。子どもが床で遊んだり寝転んだりする家庭ならなおさら、床付近の空気質が重要になります。空気清浄機はできる限り床付近に置いて使いましょう。

NG③ “つけっぱなしはもったいない”と思っている

「風量が強いと電気代がかかりそうだからこまめに切る」という考え方も根強いですが、空気清浄機に関しては逆です。そもそも室内の空気は一度きれいになれば終わりではなく、料理の煙や油のミスト、人の動きによるホコリや花粉の再舞い上がり、玄関からの侵入、カーペットや家具から発生する揮発性有機化合物(VOC)など、絶え間なく“汚され続けている”状態です。

空気清浄機を止めてしまえば数時間で空気は元の状態に戻ってしまいます。屋内の空気は屋外と比較して、約5倍も汚れているというデータもあるほど、室内の空気は汚れています。だからこそ、24時間365日つけっぱなしで使い続けましょう。弱運転での連続使用であれば、1か月あたりの電気代は数百円程度に収まるケースがほとんどです。

NG④ フィルターを何年も掃除しない/交換しない

多くの家庭で見られるのが、フィルターの管理不足です。空気清浄機のフィルターには、花粉、PM2.5、カビ、ダニの死骸、油煙、皮脂、さらに生活臭の微粒子成分まで蓄積します。

フィルターが詰まると風量が低下し、粒子の捕集効率は下がり、逆に消費電力は増えます。つまりメンテナンスを怠るほど“性能は落ちるのに電気代は上がる”状態になるわけです。

ここでポイントとなるのが、ブルーエア製品のメンテナンス仕様です。ブルーエアの多くのモデルには、布製のプレフィルター(外側カバー)が備わっており、これはホコリや大きな粒子を先に受け止める役割を持っています。プレフィルターは取り外して掃除機で吸い取ったり、モデルによっては水洗いしたりすることができ、これがメインフィルターの寿命を延ばし、風量低下を防ぐ大切な工程になります。

一方、メインフィルター(HEPASilent®技術に対応する内部フィルター)は、見た目がきれいでも吸着性能が低下していきます。ブルーエアでは24時間運転を前提として機種や使用時状況にも異なりますが、約6カ月~12カ月を交換目安としており、使用環境を解析して交換タイミングを知らせる製品もあります。空気清浄機は“掃除したり交換したりするほど長寿命化し、性能も維持される家電”だという意識を持つと運用が変わります。

NG⑤ 部屋のサイズに対して小さすぎるモデルを使う

本体の性能が部屋のサイズに対して不足しているケースもよくあります。例えば20畳のLDKで8畳用の空気清浄機を使うと、粒子の発生量に対して処理能力が追いつかず、空気清浄機は常に“遅れながら”頑張ることになります。

空気清浄機の性能はCADR(Clean Air Delivery Rate)や適用床面積(JEMA/AHAM)で示されますが、これは“部屋の空気をどれだけの速度で浄化できるか”を表す指標です。空気は常に汚染され続けるため、処理能力は高めに設定した方が現実的です。いわゆる「大は小を兼ねる」のが空気清浄機の世界です。

使い方次第で家族の健康にも大きく影響します

空気清浄機は、置くだけで完結する家電ではありません。ですが逆に言えば、少し置き場所や使い方を変えたり、フィルターのメンテナンスを適切に行うだけで、同じ機種でも性能は大きく変わります。

壁から離し、床付近に置き、弱運転で24時間運用し、プレフィルターを定期的に清掃し、メインフィルターをメーカー推奨周期で交換し、部屋の広さに見合ったモデルを選ぶ──この原理原則さえ押さえておけば、空気清浄機は本来の性能を発揮し、家族にとって強い味方になります。

空気は家族全員が一日24時間吸う“見えない食事”です。成人男性が1日に呼吸で吸い込む空気の量は、約15〜20m³(立法メートル)、これは500mlのペットボトルに換算すると約3万〜4万本分、重量に換算すると約15〜20kgにも相当します。

だからこそ、空気清浄機は正しく使うことで、家族の健康にも大きく影響することを知っておきましょう。

Text by 滝田 勝紀
ブルーエア空気清浄機

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家電スペシャリスト
滝田 勝紀

All Aboutの家電ガイド。楽天のショッピングSNS「ROOM」の家電公式インフルエンサーを務め、フォロワー数は約56万人(2023年5月現在)以上を抱える。ベルリンで毎年開催される世界最大の家電見本市「IFA」ほか、海外取材の経験も豊富。MZ世代へライフスタイル提案するBeyond magazineのプロデューサーを務める。

Beyond magazine:https://www.beyondmag.jp/