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空気清浄機はいらない?間違った使い方は?よくある疑問に家電ライターが回答

2023.09.02エッセイ

2007年には普及率(二人以上世帯)が35.7%だった空気清浄機も、花粉やPM2.5、黄砂問題、そしてコロナ禍を経て、2022年には45.7%まで上がっています。一方で、空気清浄機の必要性がわからない、買ったものの使いこなせているか自信がない、という人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、家電ライターである筆者がよく聞かれる4つの疑問・質問にお答えします。

Q1:空気清浄機、そもそも必要ですか?

自分がこどものころも家に空気清浄機なんてなかったけど問題なかったし、花粉症でもないので、なくてもいいんじゃないかと思っています。

A:
近年の住宅は気密性が高く、屋外より屋内の空気のほうが汚れている場合があります。

確かに昔の家は、気密性が低かったため、屋内と屋外の空気が入れ替わりやすく、屋内に空気の汚れが滞留する量は少なかったかもしれません。しかし今は、冷暖房効率の高い気密住宅が増えています。すると、屋外の汚染物質が屋内に入り込んでも逃げ場がなく、どんどん溜まってしまいます。

加えて建材や家具から発生し、シックハウス症候群の原因となる化学物質も、気密住宅では溜まりやすい傾向に。そのほか花粉やダニ(死がいやフン)、ハウスダストなどのアレルゲンも屋内の空気には浮遊しています。そのため屋内の空気は屋外に比べて5倍汚れている*1とも言われているのです。
*1:アメリカ合衆国環境保護庁の室内環境レポートより

特にこどもは大人に比べ、空気中の汚染物質を2倍吸収するとされていますので、お子さんがいる家庭では、お子さんのためにも空気清浄機を使ったほうが安心です。

参考:建材などから発生する化学物質はシックハウス症候群など健康への影響も<ブルーエア公式サイト>

Q2:加湿機能付きやフィルター交換不要タイプがやっぱりお得?

加湿機能付きなら加湿器は買わなくていいし、置き場所も取りません。またフィルター交換不要ならランニングコストもかからないし、お得感がありますよね。

A:それぞれのメリット、デメリットをよく知ったうえで判断しましょう。

確かに加湿機能付きは1台2役という魅力がありますし、特に乾燥と菌が気になる冬場は同時に運転できて便利ですね。ただし内部が湿気やすいので、お手入れを怠ると、内部やフィルターにカビが繁殖し、異臭を発したり、カビを放出するという本末転倒なことが起こります。

定期的なお手入れは、プレフィルターやフィルターのほか、加湿タンクなど。さらに加湿フィルターのお手入れには、水に浸けるなど手間も時間もかかります。お手入れする自信がない人は、空気清浄機と加湿器は別に用意し、それぞれ手間が少ないものを選ぶといいと思います。

また空気清浄機の中には、フィルター交換10年不要を謳うものも多いですが、実はプレフィルターは定期的に交換しなくてはいけないものもあり、ランニングコストがかからないわけではありません。また10年使うと、集じん性能は初期性能の半分近く下がってしまうこともあり、期待している効果が実感できない可能性も。本来の性能を求めるなら、交換したほうが安心です。

関連記事:加湿機能があったほうがオトクなの? 空気清浄機と加湿空気清浄機のメリットとデメリット

Q3:正しい置き場所がいまいちわかりません。

空気清浄機を買い、とりあえず邪魔にならないように部屋の隅に置いていますが、どこに置くのが正解なのでしょうか。

A:吸込口と吹出口の気流を意識しましょう。

空気清浄機は部屋や目的によって置き場所も変わってきますが、必ず確認したいのが、吸込口と吹出口の位置です。空気清浄機は、室内の空気を吸い込み、フィルターで汚染物質を取り除いているわけですから、壁や家具に囲まれた場所に置いてしまったら、清浄効率が下がってしまいます。周囲の空間は少なくとも10cm以上開けたうえで、空気の通り道は塞がないようにしましょう。

この条件をクリアしていれば、部屋の隅でも問題ありません。むしろ汚れが流入する入り口からもっとも遠い部屋の隅に置くことで、部屋に入ってきた空気を吸い込んで戻すという空気の循環が生まれ、効率的に清浄化できます。

関連記事:
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Q4)電気代が心配なので、気になる時だけ使っています。

空気清浄機はつけっぱなしがいいと言われますが、電気代が気になるので、掃除機がけや布団・洗濯物の取り込み、料理など、ニオイやホコリが気になるときだけ使っています。

A:電気代は1ヶ月間24時間使い続けても144円*2〜とそれほど高くありません

最近は電気代がとても高くなっているので、つけっぱなしにしていいのか気になりますよね。ただし空気清浄機で使用するのは、主にファンを回転させる電気代で、暖めたり冷やしたりするエアコンやヒーターに比べると電気代は控えめ。例えば、ブルーエアのプレミアムモデル「Blueair Protect7770i(適用床面積〜37畳)の1時間あたりの電気代は0.2円〜2.1円*2と微々たるもの。オートーモードでつけっぱなしにしておけば、人の出入りや料理などニオイとホコリが発生するとき以外の多くの時間は最小モードで運転されます。つまり1ヶ月24時使い続けても、144円〜で済むということ。空気清浄機を使わない時間があると、どうしても空気は汚れますので、家族が常にきれいな空気の中で過ごせるよう、空気清浄機はつけっぱなしにしましょう。

*2:単位電気代27円/kWhで計算。実際の使用方法や運転スピード、環境により異なる。

Text by 田中真紀子
ブルーエア空気清浄機

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家電・美容家電ライター
田中真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行う白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。