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寝室の空気清浄機はここに置く!良い睡眠のために知っておきたい最適な置き場所とは

2023.04.04エッセイ

ほとんどの人にとって、人生の三分の一の時間は睡眠時間に費やしています。寝室はホコリ・ダニ・花粉・化学物質などの空気の汚れが発生しやすい環境でありながら、換気の頻度も空気清浄機の導入も見落とされがちです。

質の良い睡眠は活動時のパフォーマンスを決める大事な要素であり、寝室の空気質の改善は睡眠の質を高めるのに役立ちます。また、大人だけでなく、こどもの成長にとっても睡眠の質は重要。こどもは眠ることで脳を育てるため、良い睡眠は成長に欠かせないことが専門家に指摘されています。

そこで、空気清浄機の性能をしっかり活かし睡眠の質向上につなげるために、寝室でおすすめの設置場所について解説します。

顔の近くに置くのはNGな理由

寝室に最適な空気清浄機の置き場所

寝室で空気清浄機を置く場所に向かないのが枕元、つまり「顔の近く」です。

①動作音の問題
最近の空気清浄機は静音性が高くなっていますが、「部屋の空気を集めて、フィルターを通してから排気する」という仕組み上、どうしても動作音はゼロにはなりません。一般的に就寝時間は部屋が静かな環境であるため、小さな動作音でも不快に感じやすいもの。このため、空気清浄機は頭から離して設置するのが良いのです。

②気流の問題
顔近くを避けた方が良いもうひとつの理由が風。パワーのある空気清浄機は風量も大きいため、風が当たって顔や喉が乾燥することがあります。「夏なら風が当たって涼しくて良いのでは?」と思うかもしれません。しかし、顔近くに空気清浄機を置きたくない理由には空気質の問題もあります。空気清浄機は「部屋の汚れた空気を引き寄せて集める」特性上、枕の近くに置くとホコリや花粉が混じった空気が顔近くに流れてくる可能性があるのです。せっかく「キレイな空気」を作るために空気清浄機を使っているのに、これでは本末転倒になりかねません。

そのほか気をつけたいのは壁や家具からの設置距離です。
空気清浄機は製品によって空気の吸い込み口と送風口の位置が異なりますが、吸い込み口の前は最低でも10cm、できれば30cmほど壁から離すことで効率良く空気を取り込めます。また、吸気口が壁側にない場合も、壁からは数センチ離して置くことがオススメ。これは、空気清浄機を壁にピッタリとくっつけておくと、空気の流れにより壁にホコリが付着してしまうことがあるからです。

オススメはホコリが発生しやすい場所の近く

寝室に最適な空気清浄機の置き場所

それでは、空気清浄機はどの位置に置くのが良いのでしょうか?

寝室なら、まずオススメするのがベッドの足元近く。ベッドは布製品をたっぷりと使っているので、ホコリが発生しやすい場所です。また、布団にはダニが発生しますが、このダニの死骸やフンは細かな粒子となって空気中を漂い、アレルギーの原因(アレルゲン)にもなります。ベッド近くで空気清浄機を使うことで、このアレルゲンを減らすことが期待できます。とくに和室で毎回布団を敷いている場合は、布団の上げ下ろしでホコリやアレルゲンが舞い上がります。こんな場合、空気の汚れ具合にあわせてパワーを調整してくれる空気清浄機なら、より手軽に良い環境を維持できます。

次の候補が「ドアの近く」。空気清浄機は空気中に舞っている粒子をキレイにする家電なので、床に落ちてしまったホコリや花粉の除去は苦手。ドア近くなら、ひとの出入りにあわせてホコリや花粉といった微粒子が舞い上がり、空気清浄機がホコリを処理しやすくなります。じつは、空気清浄機を置いた部屋は、置いていない部屋より床のホコリ汚れが少ないという実験結果もあります。空気清浄機を置くことで、寝室の掃除も少し楽になるかもしれませんね。

花粉の季節は、換気のタイミングにあわせて窓のそばに設置するのもオススメです。ただし、窓の近くに設置する場合はカーテンが吸気口や排気口に干渉しないように気をつけましょう。ちなみに、前述したように空気清浄機は製品によって空気の吸い込み口の場所が異なりますが、360°から空気を吸い込むタイプの空気清浄機なら、窓からの空気も部屋の空気も同時に取り込んでキレイにできます。「窓を開けている間だけ空気清浄機の向きを変更する」といった手間がありません。

エアコンとの位置関係も重要、季節で場所を変更して

寝室に最適な空気清浄機の置き場所

もうひとつチェックしておきたいのがエアコンとの位置関係です。エアコンも空気清浄機も、どちらも気流を生み出す家電。このため、お互いの気流を乱さないように配置することで、部屋の空気をしっかり対流させて空気清浄機が部屋中の空気を効果的に清浄化できるようになりますし、冷暖房効率も高まります。ただし、エアコンは季節によって気流の動きが変わるので注意が必要です。

温かい空気は部屋天井側に溜まりやすいため、エアコンは暖房運転時において暖気を床に向かって送風。反対に、冷たい空気は床に溜まるので、冷房時は天井に沿って空気が流れるように気流を作ります。このため、暖房時はエアコンの対角線上に空気清浄機を置き、冷房時はエアコンの真下に空気清浄機を置くことが推奨されます。ちなみに、最近は扇風機のように利用出来る空気清浄機もあります。エアコンが効きにくいと感じているなら、こういった製品をサーキュレーターとしてエアコンの補助に利用するのもオススメです。

今回の記事でもわかるように、空気清浄機を置く最適な場所は部屋の環境や状態、季節、空気清浄機を利用する目的などで変わってきます。このため、花粉症の季節は窓際、夏や冬はエアコンの風に合わせた場所に……など、ひとつの場所にこだわらずどんどん移動させてみてください。気持ち良くぐっすり眠れる環境を整え、毎日を活動的に過ごしたいですね。

Text by 倉本春
ブルーエア空気清浄機

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家電ライター
倉本 春

白物家電やIoT家電、ガジェットなどのレビューをはじめとした最新情報を執筆し、雑誌、WEBなどで活躍。元ドッグカフェオーナー兼シェフという経歴から調理家電の使いこなしや犬用ガジェットなどの記事も多数執筆。AI搭載家電などの最新技術をわかりやすく解説する記事にも定評がある。