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加湿機能があったほうがオトクなの? 空気清浄機と加湿空気清浄機のメリットとデメリット

2022.11.28エッセイ

ホコリや花粉、そしてさまざまなウイルスが気になる季節になってきました。そろそろ空気清浄機を購入したいと考えたとき、2つの選択肢でお悩みの方も多いのではないでしょうか。それは、加湿機能はあったほうがいい?ないほうがいい?ということです。

ご存知の方も多いと思いますが、空気清浄機には、単機能の「空気清浄機」と空気清浄機と加湿器が一体となった「加湿空気清浄機」があり、家電量販店やネットショップなどもよく見かけます。それぞれメリットとデメリットがあるので、ポイントをおさえてライフスタイルに合ったタイプを選ぶようにしましょう。

単機能空気清浄機と加湿空気清浄機のメリットとデメリット

単機能空気清浄機は「パワフル」かつ「お手入れがラク」

単機能空気清浄機は空気清浄機能に特化しているので、花粉やウイルスへの高い効果が期待できます。花粉症やホコリアレルギーの方は、その機器のスペックを確認し、適用畳数が実際の畳数の2~3倍は欲しいところ。特にリビングなどの広い部屋で効果を実感できるのは、やはり大風量タイプの単機能空気清浄機です。

また、お手入れもカンタンです。
空気清浄機だけであれば、基本的にはプレフィルターや内部のHEPAフィルターなどを交換するだけなのでとてもシンプル。単機能の場合、大風量タイプを選べば部屋の浄化を短時間で終わらせることができます。
デメリットは、加湿が必要な場合、空気清浄機と加湿器の2台を置かなければならず、スペースをとることです。さらに加湿器を購入する場合は別々に購入しなければならないため、合計の金額が上がります。

加湿空気清浄機は「1台分のスペースで2台分の機能が使える」

加湿空気清浄機は、やはり1台分のスペースで2つの機能を使えることがメリット。スペースを有効活用できます。
また、最近は乾燥する冬だけでなく、春や冷房などで乾燥する夏にも加湿器を使う方が増えています。加湿器をしまっている場合は、その都度出さなければなりませんが、加湿空気清浄機であれば加湿機能を使いたいときにサッと加湿機能をそのまま使うことができます。
デメリットは、加湿機能が併用のタイプは狭い場所に2つの機能を詰め込むため、中の構造が複雑でお手入れがしにくいこと。特に加湿器の部分はこまめに掃除しなければ加湿フィルターや風路にもカビなどが生えやすいため、少々掃除が面倒だと感じるかもしれません。

プロがおすすめするのは単機能空気清浄機+加湿器

これまで家電のプロとして単機能空気清浄機、加湿空気清浄機、加湿器を数多く試してきました。
もし空気清浄機能も加湿機能も使いたいのであれば、やはり単機能の空気清浄機と加湿器の組み合わせがおすすめです。

特に注意したいのが木造一戸建てです。我が家もそうですが、気密性の低い木造住宅では、外気が入りやすくなるため、アレルギー対策などでは空気清浄能力が高い空気清浄機が必要となります。

個人的にはひどい花粉症なので、スピーディに花粉を吸い込める風量と、しっかりキャッチできるフィルターが搭載されているタイプを使っています。また、冬は乾燥するので、小さな加湿器ではなかなか湿度が上がりません。そのため、単機能の空気清浄機と大容量の加湿器の両方を使用しています。高性能なタイプを別々に選んだ方が、効率よく空気の浄化や加湿を行うことができるのです。

加湿器を別に用意するメリットは、他にもあります。

加湿器はスチーム式、気化式、超音波式、ハイブリッド式などの方式がありますが、その中から好きなタイプと容量を選ぶことができます。加湿空気清浄機では適用畳数に合わせると加湿方式の選択肢がない……ということもあるので、注意が必要です。

家庭環境や使い方に合わせて選ぶ

空気清浄機と加湿器を別々に購入するのであれば、離して置くようにしましょう。
加湿器のまわりは湿度が上がりやすいので、空気清浄機のフィルターに湿気がたまりやすく、清潔とはいえない状況になります。それぞれの置き場所を選んで効率的に運用できるのも、別々に置くおすすめの理由のひとつと言えます。

マンションや一戸建て、部屋の広さ、置き場所などによって大きく選択肢が変わってきます。
置き場所や環境に合った方を選ぶようにしてくださいね。

Text by 石井和美
ブルーエア空気清浄機

家電プロレビュアー
石井 和美

白物家電や日用品などを中心に製品レビューを得意としています。レビュー歴15年以上。茨城県守谷市に家電をレビューするための一戸建てタイプ「家電ラボ」を開設、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っています。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。