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空気清浄機が臭う原因は? お手入れを怠るとかえって空気が汚れることも!

2022.11.18エッセイ

花粉やウイルス、ペットのニオイ対策など、さまざまな理由で空気清浄機を使用する人が増えています。その一方でよく聞かれるのが、「空気清浄機から変なニオイがする」という声。ニオイ対策で使っているはずなのに、その空気清浄機がニオイを発していては、本末転倒です。そこで今回は、一般的な空気清浄機が臭う原因と対策について、ご紹介します。

まずは臭いの原因をチェック

空気清浄機が臭う場合、原因は3つ考えられます。

内部が臭う

1つ目は、常にタバコや焼き肉などのニオイが部屋に充満している場合。
ニオイが強すぎると空気清浄機能が追いつかず、内部にニオイが残ってしまうことがあります。そのようなときは内部をリフレッシュさせるためにも、窓を開けて換気しながら、半日程度ハイパワー運転してみてください。

ただしこの場合、一時的にニオイが取れたとしても、同じ環境でている限り、またニオイが残りやすくなります。その場合は、空気清浄機の台数を増やすか、より清浄性能が高い機種に替えたほうがいいかもしれません。

フィルターが臭う

続いて考えられるのが、フィルターが臭っている場合。
一般的な空気清浄機には、「プレフィルター」「集じんフィルター」「脱臭フィルター」と3枚のフィルターが搭載されています。このうち、特にニオイの原因になりやすいのが「集じんフィルター」と「脱臭フィルター」。ホコリや雑菌が溜まったり、空気中や加湿用の水分を吸着して菌が繁殖してカビが生えてしまうこともあるので、2週間に1回を目安にお手入れしましょう。

ニオイを発しているのがどの部分かを調べるために、まずフィルターをすべて外して運転してみましょう。この状態で臭うなら、ニオイの原因は前述の内部に、臭わないならフィルターにある可能性が高いので、フィルターを一枚ずつ取り付けて運転し、どのフィルターが臭うか確かめてみてください。
ニオイの原因となるフィルターがわかったら、掃除機でホコリを取り除くなど、しっかりお手入れしましょう。集じんフィルターは、ハイパワー運転を行うことで、ある程度取り除くことができます。一方脱臭フィルターは、加湿用の湿気の影響を受けやすいため、しっかり乾かすために天気のいい日に天日干ししてみてください。

空気清浄機の集じんフィルターや脱臭フィルターは、いずれも水洗いできないものがほとんどなので、ニオイが取れない場合は新しいフィルターとの交換をおすすめします。

加湿機能付きは要注意。菌が繁殖している可能性も

加湿機能付き空気清浄機で、ニオイの原因が内部やフィルターではない場合、疑われるのが加湿フィルターや給水トレイ、タンクなどの加湿パーツです。この場所が臭う原因は大きく2つあります。

①ミネラル成分にニオイが付着
加湿に使用する水道水にはカルキ成分が含まれており、加湿フィルターに付着して固まることがあります。その固まった成分はニオイを吸着しやすいため、加湿フィルターが乾く時(加湿オフで運転する場合)に不快なニオイを発することがあります。

②給水トレーやタンクに雑菌が発生
空気清浄機が臭う大きな原因になるのが、給水トレーやタンクに発生した雑菌です。お手入れを怠ったり、水を入れたまま放置したりすると給水トレーやタンクに雑菌が繁殖し、加湿フィルターを通してニオイが発生してしまいます。そうなると問題はニオイだけはありません。雑菌が空気中にばら撒かれ、空気清浄機の運転が逆効果になる可能性もあるのです。
それを防ぐためにも、給水トレーやタンク、加湿フィルターのお手入れは重要。
月1回を目安に水やぬるま湯で洗いましょう。特に汚れやニオイがひどい場合は、台所用合成洗剤や重曹でつけ洗いを。使える洗剤はメーカーによって異なりますので、必ず取扱説明書で確認してください。
ちなみに加湿用の水は、必ず水道水を使いましょう。
「体に良さそうだから」とミネラルウォーターを使う人もいるようですが、水道水には塩素が含まれているため、カビや雑菌の繁殖も抑えてくれます。

空気清浄機はお手入れがしやすいものを

以上のように空気清浄機はお手入れを怠るとカビや雑菌が繁殖し、ニオイを発する可能性がありますので、フィルターは2週に1回、加湿パーツは1か月に1回を目安に丁寧にお手入れしましょう。フィルター交換10年不要を謳う空気清浄機もお手入れは必須です。
一方でフィルター交換式の製品の場合は頻繁なお手入れは不要で、決まった期間ごとにまるっと取り替えることができます。その分のコストは必要になりますが、手入れの手間がかからず、衛生的な状態を保つことができます。
空気清浄機を購入する際は、菌が繁殖しにくい機能が搭載されているか、シンプルな形状でお手入れしやすいか、フィルターは清掃式か交換式かなども選考基準に入れるといいかもしれません。

特に加湿パーツのお手入れは必須です。
加湿器単体のほうが加湿空気清浄機よりも構造がシンプルで手入れもしやすいので、面倒そうだな…と感じた人は、空気清浄機と加湿器は別々に購入することをおススメします。

Text by 田中真紀子
ブルーエア空気清浄機

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家電ライター・美容家電ライター
田中真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行う白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。