コラムColumn
ロボットや映像でも効果あり!動物が持つ癒しの力は無限大
動物とふれあうことで、心が落ち着いたり、疲れが軽減したり、優しい気持ちになったり。誰しもそんな経験をしたことがあるでしょう。
私はこどもの頃から、ずっと猫を飼い続けていており、もちろん今も愛猫と暮らしています。
動物の癒しの力は私自身が日々体感していることですが、自宅でペットと触れ合う以外にも「動物カフェ」や「アニマル動画」など、その癒しの受け取り方は多様化が進んでいます。
動物が持つこの不思議な癒しの力は、心身の疲れを軽減してくれたり、孤独感を軽減したり、また認知症やうつ病などの症状改善にも期待できるとして、医療や福祉などさまざまな分野で取り入れられています。
こどもたちにとっては生命観や倫理観を養い、責任感やコミュニケーション能力を育む、「こころの教育」の面でも大きな意味を持つとも言われています。
今回は、そんな動物がこどもから大人まで癒してくれる力について、成城こばやし動物病院の獣医師、小林元郎先生の話を交えつつ、綴ってみたいと思います。
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成城こばやし動物病院代表・小林元郎先生
獣医師。獣医学博士 臨床は2018年に引退して、
現在は病院のマネージメントに専念。
さまざまな社会課題に獣医師としてどのように
貢献できるかを模索することがライフワークとなっている。
留守番の様子が見られるアプリを開発。ペットの癒しを「持ち歩く」ことも可能な時代に
仕事中にふと疲れたとき、スマートフォンで留守番中のペットの様子を見ると、また元気が湧いてきます
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私の愛猫の名前はスーリィ、迎えたのは15年ほど前になります。おそらく産まれてすぐに捨てられてしまったようで、飲食店が設置した粘着式のネズミ捕りに引っかかっていたところを助けられ、近所の動物病院に保護されていました。
私は、動物病院の入り口にあった猫の里親を探す貼紙をみて、すぐ引き取ることに決めました。
というのも遡ること数日前の夜中に、子猫のか細い鳴き声を聞いて、自宅周辺を探したのですが見つけられずに気になっていたので、タイミング的に、あの時の猫かなと思ったからです。
名前の由来はフランス語のネズミ(Une souris)とスマイル(sourire)をなんとなくもじって「スーリィ」。最初に助けてあげたのは私ですが、今ではスーリィのほうが癒しの天才的才能を発揮して私を助けてくれています。どんなに疲れていても、スーリィの顔を見るだけでハッピーな気持ちになるのですから。
そんなスーリィは、かなりの人見知り。ピンポンとインターフォンが鳴っただけで身構え、テレビの裏に隠れたり、冷蔵庫の上に身を潜めてしまいます。最初に冷蔵庫に乗っているのを見たとき、「どうやって登ったんだろう」と不思議に思い、WEBカメラを設置してみました。すると、まずシステムキッチンに登り、そこからレンジフードを伝って冷蔵庫の上に辿りついていることがわかりました。
それを機に、「愛猫のお留守番の様子をもっと知りたい」と思った私は、自らペット見守りサービス「ペットみるん」を開発しました。簡単に説明するとWEBカメラが撮影した大量の画像から、ディープラーニングの技術を使って猫が映っているシーンを解析し、それのみを適切にスマホに提供する仕組みです。
このアプリの改善等をする際に、相談に乗っていただいたのが、成城こばやし動物病院の小林先生です。「ペットみるん」は諸般の事情でサービス提供を終了したのですが、小林先生とのお付き合いは今でも続いていて、友人として様々な相談をさせていただいています。
ロボットでも癒し効果あり!
難病のこどもに寄り添うペットロボット
病床にいるこどもたちの心を癒す存在としてペットロボットが活躍してくれるかもしれません
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読者の方の中には筆者同様、動物が大好きで、ペットに毎日癒されているという人も多いのではないでしょうか。しかしこの小林先生は、かなりユニークな人で、獣医なのに動物が大好きというわけではない、と言います。それだけ聞くと「えっ」と思いますが、理由を聞くと納得します。ペットは決して単なる愛玩動物として無条件に溺愛する対象ではなく、可哀想などとむやみに保護する対象でも無く、「そこに存在することを普通に受け入れるべき存在」だというのです。つまり、お互いにリスペクトする存在であるべきだ、ということでしょう。
ちなみに小林先生によると、今の日本では、犬と猫の合計頭数は、既に15歳以下のこどもの人数を超えています。そして、日本の約1/4の世帯が犬や猫を飼っていますが、逆を言うと、まだ飼っていない世帯の方が圧倒的多数。飼っている人は自身がマイノリティであることを自覚すべきで、だからこそ、自分とペットたちの権利や都合ばかりを主張するだけでなく、「もっとペットの地位向上に対する努力をしないといけない」と考えているとのことです。
そんな小林先生も、ペットには人を癒してくれる力があると考えており、ある取り組みをしていると言います。世田谷区にある国立成育医療センターには、多くの難病・重病のこどもたちが入院しています。中には高度な手術や治療を受けるため、感染予防の観点から数か月間もの長い間、ベッドから降りることが制限されるなど、かなり過酷な状況にあるこどももいると言います。
あるとき、知人のお子さんがまさにそのような状況であると知った小林先生は、自身が所有しているペットロボットをその子の付き添い役として貸したいと申し出たところ、病院の理解を得て貸し出されることになりました。そして、そのペットロボットは、厳しい闘病生活を送らなければならないこどもとその家族を癒やすという、期待通りの効果を発揮したのです。
この話を聞き、筆者もすでに体験しているものの、やはりペットの癒し効果は絶大だと感じました。リアルな動物に限らずに、こういったペットロボットが与えてくれる癒しによってペットの価値がより具体化されます。病院という環境を考えるとペットロボットだからこそ出来ることがありそうです。私自身、こういった活動をより拡げていくために、いくつかのロボットメーカーとの橋渡しをしていきたいと考えています。
最後に。
私はこどもの頃から、ずっと猫を飼い続けています。歴代の猫たちは、ふとんの中に入ってきたり、朝にはまだ寝ている私を起こそうと顔の上を歩いたり。その際、部屋中を舞う猫の毛は、時に目のかゆみやくしゃみを誘発します。
でも、そんなことは全く構いません。愛する猫のためなのですから……。
こまめに掃除したり、空気清浄機を使ったりして、猫との暮らしを楽しんでいます。
ちなみにわが家だけでなく、小林先生の成城こばやし動物病院でも現在、3台のブルーエア空気清浄機が稼動しています。性能はもちろんのこと、デザインや北欧製、ブランドの雰囲気がとても気に入っているとのこと。ペットを飼う際は、空気環境を考えて、空気清浄機の導入をおすすめします。
リビングにブルーエアの空気清浄機「Blueair Protect」。スーリィもきれいな空気の場所がわかるのか、この近くがお気に入りです。
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Text by 中村 剛
ブルーエア空気清浄機 https://www.blueair.jp/
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