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家族を「守る」空気清浄機とは?Blueair Protect開発ストーリー(前編)

2021.06.03インタビュー

先日「Blueair Protect」が、世界的に権威あるデザイン賞である「Red Dot Design Award 2021」と「IF DESIGN AWARD 2021」をダブル受賞しました。
受賞の際しての評価は、確かな性能と、ユニークな形状、ユーザビリティ、省エネ性能、耐久性、独自性など、つまり機能性とデザイン性が融合した点にあります。

「Blueair Protect」は25年に及ぶブルーエアの歴史の中でブルーエア史上最も先進的なテクノロジーを搭載し、形状・デザインも新たに、はじめてフラッグシップを刷新したエポックメイキングなシリーズです。

そこで今回の受賞を機に、改めて、「Blueair Protect」の機能やデザインに込められた思いや、発売に至るまでの秘話などを、ブルーエア社プロダクトマネージャーであるKristina Ahlinder(クリスティーナ・アーリンダー)氏にインタビューしました。

まずは前編。
製品のコンセプトやデザインについてのストーリーをご覧ください。

――製品のコンセプトについて教えて下さい

「Blueair Protect」は、2020年に新しく発売されたシリーズであり、Blueairの新しいフラッグシップです。「Blueair Protect」はブルーエア社が「きれいな空気を提供する」ということにこだわって25年以上にわたり培ってきた経験やノウハウを生かして開発した、ブルーエア史上最も先進的な空気清浄機です。

「空気清浄機によって空気リスクに脅かされることなく、より安心に暮らしたい」という消費者のインサイトに基づき顧客と共創した製品なので、構造設計もテクノロジーも「守る(Protection)」ことこそが「Blueair Protect」のコンセプトのすべてです。

――Blueair Protectの開発において、ブルーエアの他製品と異なる手法をとった部分はありましたか?

私たちの住む世界は突然未知のウイルスに脅かされたり、さまざまな環境問題を抱えたり、日々目まぐるしく変化しています。ブルーエアは空気を清浄する専門家として、世界の変化を知るためにも、実際のユーザーの声に耳を傾け続けることが必要だと考えています。

そこで「Blueair Protect」プロジェクトは2017年にスタートしましたが、その開発のプロセスに消費者を引き込むことに挑戦しました。
約4か月間を費やして世界中の主要市場を廻り、消費者の自宅を訪ね、徹底的なヒアリングによって空気浄化に関する様々なニーズと問題点を理解しました。
多くの消費者と意見をぶつけ合い、一緒にスケッチし、一緒に評価し、一緒にブレインストーミングを行います。この作業によってブルーエア製品を使用しているユーザーをさらに深く理解することができたと感じています。

とはいえ、開発にはとにかく多種多様のトラブルがありました。プロジェクトの半分が出来上がった時点でチームが自信をもってユーザーテストを行ったのですが、デザインや機能において満足度が低いという結果が出たこともあります。もちろん、ユーザーが満足しなければブルーエアの製品として提供できないので、消費者へのインタビューをやり直し、消費者が何を求めているかを考え直すことから再出発しました。

結局、このときは主要なコンポーネント、テクノロジーコンセプト、およびいくつかのコアな機能のみを残し、あとは設計段階からやり直しとなったのです。

――Blueair Protectシリーズは、従来の最上位モデル「Blueair Classic」シリーズとはデザイン面も異なっています。「まったく新しいデザインを生み出す」という点で難しかったことはありましたか?

空気清浄機は優れたデザインである上で、高いパフォーマンスを両立しなければなりません。ですが、この「デザイン」と「パフォーマンス」はそもそも反発しやすい要素でもあります。

当初、デザイナーはコンパクトで柔らかな曲線の、部屋に溶け込む美しい形状を目指していました。ですが、パフォーマンスを追求したいエンジニアは、空気の吸い込み口と供給口を大きくとりたい。さらに、空気の流れを考えると角張った大きな本体のほうが効率が良いと主張します。

そこで、我々はデザイナーとエンジニアを同じ部屋に集めて、一日だけ役割を交代することにしました。自分の専門分野ではない別の役割をさせることで、エンジニアはデザイナーの、デザイナーはエンジニアの考えを互いに理解することができたのです。

Blueair Protectは各種センサーを内蔵しており、PM1やPM2.5、PM10、温度、湿度といった空気質の情報を知ることもできる。
最上位モデルである7770iと7470iの2機種は、本体上部にフルカラー液晶タッチディスプレイ「インタラクティブタッチスクリーン」を搭載。このタッチスクリーンも全体の印象を壊さないようにデザインされている

最上位モデル以外は液晶ディスプレイ非搭載。ミドルモデルである7740iと7440iはLEDで空気質などの数値を可視化。スタンダードモデルの7710iと7410iは数値は表示されませんが、スマートフォンの専用アプリですべての情報にアクセスできます。スマートフォンとの連携は全モデル共通で可能です。

―全体的な外観上のデザインにおけるこだわりについて教えて下さい

優れた製品設計は絶対に不可欠ですが、設計は製品の外観だけではありません。
デザインは、ユーザーインタラクション、使いやすさ、耐久性、品質、そしておそらく最も重要なことは、それぞれの目的を満たす機能が統合的に設計されていることです。

個人的にはBlueair Protectの外観デザインが大好きです。モダンで、なめらかで、ハイテクであり、同時に生活の邪魔にならないものです。ほとんどの家庭環境にうまくフィットし、A4サイズほどの小さな設置面積で簡単に設置できる設計になっています。

私にとって、デザインは品質にも大きく関わっています。たとえ製品の外観が優れていても、操作に不自然さがあっては充実したデザインエクスペリエンスだとは言えません。
暮らしに溶け込み、高い性能を維持したまま数十年使い続けられる製品をつくるために、高品質の素材とこだわりをもって「Blueair Protect」の開発に多大な労力を費やしてきました。

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いかがでしたか?

後編では「Blueair Protect」のテクノロジーに注目したインタビューをお送りします。

Text by 倉本春
ブルーエア空気清浄機

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