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家族を「守る」空気清浄機とは?Blueair Protect開発ストーリー(後編)

2021.06.15インタビュー

ブルーエアの新たなフラッグシップを担う「Blueair Protect」。
前後編にわたって、ブルーエア社プロダクトマネージャのKristina Ahlinder(クリスティーナ・アーリンダ―)氏にその開発ストーリーを語ってもらいました。

>家族を「守る」空気清浄機とは?Blueair Protect開発ストーリー(前編)はこちら


−−ブルーエアといえば「空気をきれいにする」技術力の高さに定評があります。かつてのフラッグシップ「Blueair Classic シリーズ」と比べて、どこが新しいのでしょうか?

「Blueair Protect」シリーズは、「空気清浄機によって、空気リスクに脅かされることなく、より安心して暮らしたい」…そう願う人々のために開発した製品です。
このため、構造設計もテクノロジーもすべて「守る(Protection)」ことをベースに考えられています。

「Blueair Protect」には、ブルーエアの基幹技術「HEPASilentテクノロジー」という技術をさらに発展させ、「HEPASilent Ultraテクノロジー」という新技術を採用しています。
基幹技術である「HEPASilentテクノロジー」は0.1μm以上の微粒子を99.97%捕集できますが、新技術「HEPASilent Ultraテクノロジー」ではさらに微細な0.03μmの超微粒子まで99%以上除去できるようになりました。

HEPASilentとHEPASilent Ultraは、両技術ともに基本原理は同じです。
最初に空気中のゴミや微粒子をイオナイザーでマイナス帯電させることで、プラス帯電させたフィルターで効率的にキャッチできます。
多層フィルターになっているため、清浄能力が高いだけではなく長期間目詰まりを起こしにくい特徴もあります。


――捕集できる微粒子のサイズが0.1μmから0.03μmとより小さくなると、どんな違いが出てくるのでしょうか?

昨今、私たち人間が空気中の汚染物質に長期間曝露すると、どんな影響が出てくるかの研究が進んでいます。なかでも近年検証されているのが「0.1μm以下の超微粒子が私たちの体にどのように影響するか」ということです。

この研究では、超微粒子がどのように肺を通って血流に移動し、最終的に脳に到達するかを検証しています。非常に恐ろしい話ですが、この想定を鑑みて、「Blueair Protect」は空気中から0.1μm以下の超微粒子さえも除去することで、ユーザーの健康を徹底的に守ろうと考えました。

もちろん、高い性能を謳うにはエビデンスが必要です。
そこで、「Blueair Protect」は開発プロジェクト全体を通して、スウェーデンにある自社の研究所と第三者機関の両方で徹底的に製品テストを重ねました。なかでも、1分間あたりに供給する清浄な空気の量を表す「CADR(Clean Air Delivery Rate)」や、特定の時間内に空気清浄機が除去できる汚染物質の割合を調べる「除去率テスト」は、空気清浄機にとってとくに重要なテスト項目です。

「Blueair Protect」の開発では、プロジェクトの早い段階からさまざまなテストをクリアしていたため、われわれはBlueair Protectが「有害な汚染粒子からユーザーを守る」ことが可能な製品であるという確信がありました。


――従来製品はフィルター交換推奨時期が約6カ月でしたが、「Blueair Protect」は約1年に延びました。フィルター使用期間がおよそ倍になったのは、ユーザーとしてとても嬉しい進化だと感じます。

フィルターは空気清浄機にとってまさに心臓部です。
フィルター式の空気清浄機は、フィルターに汚染物質を吸着させることで空気をきれいにするしくみ。このため、どうしても時間とともに汚染物質でフィルターが目詰まりします。
こうなるとCADR(清浄空気供給率)が低下し、エネルギー消費量とノイズが増加するため、定期的なフィルター交換はフィルター式空気清浄機の宿命ともいえます。



Blueair Protect用の交換フィルター。白いプリーツ状のフィルターは前述した「HEPASilent Ultra」。防臭性能を備えたココナッツカーボンフィルターも一体化しています。

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Blueair Protectのフィルター交換は、側面のドアを開いてフィルターを差し込むだけ。フィルターへのアクセスがよく、交換が簡単です

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とはいえ、家庭によって空気の汚れや空気清浄機の使い方はさまざま。
もちろん、空気の汚れ方も家庭環境によって異なりますし、フィルターが汚れで飽和するタイミングも家庭ごとに違うはずです。そう考えると、今までのように「すべての世帯でフィルター交換時期は6か月」というのは正しくありません。
実際は、フィルターの寿命は私の家とあなたの家とで異なるはずなのです。

そこで、「Blueair Protect」ではセンサーを使って正確なフィルター寿命を計算するようになりました。センサーで本体に吸引した汚染物質の量をチェックし、稼動時間とファンの速度といった情報を統合することで「フィルターが現在どのような状態か」を知るためのアルゴリズムを作成。さらに、多くのテストと、世界中の既存のブルーエア空気清浄機から得たビッグデータを通じて正確なフィルター寿命の計算ができるようになりました。
これにより「Blueair Protect」はフィルター寿命を正しく計算できるようになり、最大1年まで伸ばすことができたのです。



フィルターは個別にRFIDチップを内蔵した「スマートフィルター」に進化。RFIDチップを搭載することで、空気清浄機の実際の稼動状況や部屋の空気汚染度など、フィルターが汚れるさまざまな要素を集約して、正確な「フィルターの残り寿命」を計算できるようになりました

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フィルター寿命が延びることで、ユーザーはランニングコストと(フィルターを交換する)時間を節約できますし、まだ使えるのに捨てられてしまうフィルターが無くなることで環境保護の面でもメリットがあります。
また、環境にあわせてフィルター交換を促すことで、いま使っているフィルターが「正しく機能するフィルター」であるという安心感もあります。


――個人的に「Blueair Protect」で気になったのが「GermShield」という機能です。これは、空気清浄機を運転していない状態でも菌を抑制する機能。ひときわ革新的な機能ではないでしょうか?

「Blueair Protect」は、後述する「スパイラルエア」によって推奨フロア面積の空気を1時間に5回も交換するほど強力です。ただし、大量の空気をろ過するということは、その分多くのウイルスや細菌をフィルターに集めるということでもあります。そして、特定の条件によってはフィルター内の細菌が増殖する可能性も否定できません。

そこで、GermShieldテクノロジーは、温度や湿度センサーなどで部屋の環境が「菌が繁殖・増殖しやすい状態」になっていないかを常にチェックします。繁殖しやすい環境だと判断すると、たとえ本体がスリープしているタイミングでも自動的に微風とイオンチャージ機能を起動します。微風により本体内の湿度を下げることで菌が増殖しにくくなり、イオンチャージにより抑制するのです。
残念ながら、GermShieldにおける正確な湿度や温度といった条件に関してはBlueairの知的財産であるため、数値に関しては公開していません。



HEPASilent Ultra™ Technology / HEPASilent Technologyは空気中に浮遊するウイルスをすばやく除去します (北生発2020_0871 号) (試験は1種類のみのウイルスで実施)。密閉した試験空間での効果であり、実使用空間での実証結果ではありません。

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−―Blueair Protectは適用床面積が40畳(Protect7400シリーズ)や70畳(Protect7700シリーズ)と、かなり部屋にも利用できるスペックです。これだけ適用床面積が大きいと部屋中の空気を循環させるための空気制御が難しいのではないでしょうか?

Blueair Protectは緻密に設計された独自の供給口により、360°あらゆる方向に循環気流を作り出す「SpiralAir」という技術を採用しています。これにより、部屋の隅まで空気を送り込むことが可能になりました。



本体をぐるりと囲むように不規則に配置された黒い帯状の部分が空気の供給口。曲線を多用した供給口は見た目が美しいだけではなく、部屋中に空気を送り出すために緻密に計算されたデザインとなっています

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従来までのブルーエア空気清浄機は、最適に機能するため壁や家具などから少なくとも10cm以上離して配置する必要がありました。 SpiralAirは空気の流れを制御することで、壁際を含めて部屋のどこにでも配置が可能になりました。


――40畳や70畳という大きな部屋にも対応できる空気清浄機だと、運転音も大きくなる印象があります。日本は比較的小さな住宅が多いため、音に敏感なユーザーも多いといわれていますが静音性に関してはいかがでしょうか?

空気清浄機の静音性は、日本だけではなく世界的に見ても重視されている項目です。
もちろんブルーエア製品も静音性を重視した開発を行っています。そもそも、ブルーエアは創設以来「静かな稼動音」を目指した技術開発をしており、それは「HEPASilent」と名付けた(創業当初からある)基幹技術の名前からもわかると思います。

もちろん「Blueair Protect」の開発においても、空気清浄機から発生する音を分析し、ノイズレベルの調整に数え切れないほどの時間を費やしました。
空気清浄機は、そもそも大量の空気を動かすので音は必ず発生しますし、それ以外にもノイズが発生する原因は多くあります。

たとえば、モーターの駆動音、ファンの形状により空気を切る音、本体内部の空気の経路、フィルターの密度、吸込口と供給口の位置など……本当にさまざまな原因があるのです。「Blueair Protect」はこれらのすべての課題を最適化しています。
そのために多くのテストが必要でしたし、ブルーエアが25年にわたって積み上げてきた空気清浄に関する多くの経験と専門知識が役にたちました。

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前後編にわたり、ブルーエア社のKristina Ahlinder氏に、ブルーエアの新しいフラッグシップ「Blueair Protect」の開発について伺いました。

最大70畳にも対応するパワフルな清浄力、0.03μmというウイルスレベルの超微粒子も捕集可能なフィルター性能。さらに菌やウイルスに対する、各種センサーによるモニター機能。
「Blueair Protect」は一見すると「一般家庭にはとっては過剰ではないか?」とも思える高い性能を搭載していますが、これらの機能はすべてAhlinder氏が語る「Blueair Protectのコンセプトは家族を守ること」に繋がっていることがわかります。

人は水や食事を摂取しなければ生きてはいけませんが、その数倍量摂取しているのが「空気」です。家族の健康のために空気清浄機の購入を考えるなら、それが「家族を”守る”ことのできる空気清浄機」かどうかチェックして欲しいと思います。

Text by 倉本春