コラムColumn

知人宅から来た元保護猫との新生活、猫との生活に必要な家電とは?

2021.09.15エッセイ

「ペットを飼う人」というのは、勤勉だと尊敬していた。
ペットの食事、トイレ、散歩、しつけ、遊び……子育てと同じことをペットにも行うのは、ズボラな人には難しい。
それにペットがいると、抜け毛の問題もある。以前、猫を飼っている人のバッグに、びっしりと猫の毛が付着していて驚いたことがある。

最大の問題は、ニオイだ。
めんどくさがり屋なのに潔癖ゆえにペットは飼わないつもりだった。

そもそも、取材や旅行で家をほとんど留守にしており、飼える状況ではなかった。
ところが、2020年3月、未知のウィルスにより、それまでの生活が強制的に一時停止された。立ち止まるといろんなものが見えてくる。そのときに、同世代の知人が“保護猫”活動をしていることを知った。

知人は過酷な状況にいる“野良猫”を保護。
動物病院に連れて行き、去勢や避妊のほか適切な治療をして耳の先をほんの少しカット(さくら耳、さくらねこ、という)。
そうした固体を猫の生活を地域の住民で見守っているエリアに“地域猫”として還す活動をしている。
「家族の一員になるのが猫の最大の幸福」と言う知人の自宅には、還す地域がない“保護猫”が数十頭保護され、新しい家族を待っている。


保護された美しい白猫と産み落とされた子猫たち

知人は2020年4月に美しい白猫(推定1歳)を保護した。よく見ると、その猫の腹は膨らんでおり臨月だとわかった。
そして、お産のために他の猫から隔離。
知人は白猫のお産に適した環境を整え、布を用意するも、白猫は人のニオイがついたものを受け付けない。
自分で段ボールを切り裂いて、我が子ためのベッドをつくり、そこに3匹を産み落とした。
3匹は白猫の乳を飲みすくすくと育っていった。

知人は子猫の譲渡先を探していた。1匹は決まった。しかし、残りの2匹が難航した。
単身者、幼いこどもがいる家庭は避けたい……そんな話を聞きながら、ふと「しばらく海外も行けないだろうから、飼ってみるか」とひらめいた。きょうだいと一緒の方が猫も楽しかろうと思い、2匹を迎えたい旨を伝えた。

保護猫を譲渡されるには、審査がある。
「猫が死ぬまで飼える人物、経済力、住居環境」が要点だという。
知人は、これまでの私との付き合いで「合格」をくれた。
虐待をしないのは当たり前として、途中で「飼えない」と飼育放棄をしない人物だと判断されたのだ。



迎えたばかりの頃。梅酒の瓶の陰が好きだった。

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2020年6月に生後2か月の2匹の猫が我が家に来た。
白猫は餅、茶虎は麦と名付けた。

子猫はあまりにも小さく。どこかにハマって出られなくなるのが恐怖で、洗濯機の下や押し入れ、トイレなどは厳重にガードした。

母猫に「人は信じてはなりませぬ」と教えられたのであろう、飼い主にもほとんど姿を見せない。
8月に去勢手術に連れて行き、その時の嫌な思い出があるのか、さらに警戒は高まり、10月になってもほぼ姿を見せなかった。
夜中にドタバタと運動会をし、フードが減り、フンを見るとホッとする日々が続いた。
母が「ペットを飼うって口とお尻の世話をすることだ」と言っていたことを思い出した。



2021年7月の餅。今では姿を見かけると、お腹を出して「なでて」と催促する。

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2021年8月の麦。骨董の棚のスキマや、押し入れの中が定位置

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猫中心の生活の必需品は、トイレ、キャットフード、あとは空気清浄機

猫を飼っていてわかったことは多々ある。
それはニオイがしないことだ。とくに警戒しておりある程度の獣臭や排せつ物のニオイを覚悟はしていた。しかし、それらはほとんど気にならず「なんだ」と拍子抜けした。

「トイレとキャットフードがあれば、猫との生活は楽勝だ」と思っていたころに、くしゃみと涙が襲ってきた。夜になるとひどくなる。耳鼻科の診察を受けたら、アレルギー検査をすすめられた。
結果はハウスダストと猫アレルギーだった。

しかし、重度ではなく、こまめな掃除で対策ができるという。
それまで、掃除は2日に1回掃除機をかけていたが、今後は1日2回が必要だと言う。

それはズボラな私に厳しい。しかし、2匹の猫はすでに不即不離な家族。一生一緒に暮らしたい。掃除を頑張るか……と腹を括った。そのことを猫を譲ってくれた知人に話すと「空気清浄機を買えば? 猫を飼うのに必須アイテムよ」と言われた。

それまで、ほとんど家にいない生活を続けていたので、「家の空気」について全く意識をしていなかった。そういうものがあるとは知っていたが、自分のライフスタイルに必要だとは、全く思っていなかった。
そこで、さっそく厳選して購入し、稼動。
すると、あの地獄のようなくしゃみと鼻水が、かなり楽になった。
もちろん、掃除もしているが、かなりこれはいい。

猫と暮らし始めて、アレルギーの気配が現れた。
それまで全く興味がなかった空気清浄機がより身近になった。
空気清浄機にはピンからキリまであり、やはり、高価なもののほうが、精度も高いと感じている。

何より、猫たちが「清浄な空気」が好きらしく、特にきれい好きで好奇心旺盛な餅は、空気清浄機の近くが好き。今日も空気の出口に顔を近づけている。そ

の姿を見ると「もっといい空気清浄機を買うために、仕事を頑張ろう」という気持ちになる。
猫が家族になって気づいたこと、知ったことは多々あるが、空気清浄機の威力を体感したことが、その代表的なことだと感じている。

Writer&Editor
沢木 文

1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。