コラムColumn
チャイルドシートは想像以上に汚れています。 夏のドライブ前に洗濯を!
コロナ禍になって3回目の夏、人が多い場所への外出は控える代わりに、家族でドライブを楽しむという人も多いようです。ドライブの際、お子さんがいるご家庭なら、チャイルドシートは必須ですが、ではそのチャイルドシート、最後に洗ったのはいつですか?一度も洗ったことがない、という人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、車内の空気同様気をつけたい、チャイルドシートの汚れについて説明します。
意外と知らない?チャイルドシートは洗えます!
ほとんどのチャイルドシートはカバーを外して洗うことが可能です。一部のブースターシート(背もたれのない座面だけのジュニアシート)はカバー一体型で外せないものもありますが、それ以外は洗濯が可能です。また、チャイルドシートメーカーも「洗濯のしやすさ」「カバーの取り外しや取り付けが簡単」であることを前提に開発しています。
では、チャイルドシートはどれくらい汚れているのでしょうか?今の時期はとくに、冷房が効いている車内でも子供は大量に汗をかくことがあります。外で汗をかいて乾かないうちにチャイルドシートに乗ることもあるでしょう。いっぽう、寒い時期でも暖房が強すぎて汗だくになることもあります。「寒くないように、風邪をひかせないように」と必要以上に車内を温めると体温調節が難しい幼いこどもは汗だくになってしまうのです。
ほかにも食べこぼしのシミ、ほこりや泥汚れ、さらに嘔吐やおもらしなど、様々な原因でチャイルドシートは想像以上に不衛生な状態になっています。
この不衛生な状態を放っておくと、ダニや雑菌が繁殖してしまい喘息やアトピーなどアレルギー症状が出る原因となります。車内での嘔吐やペットの排泄物などは、それ自体に悪影響を及ぼす菌が含まれていることもあるので、チャイルドシート以外の部分も清潔に保ちたいものですね。
実際、汚れた状態のまま使っているケースも珍しくありません。チャイルドシートを洗っているか、また洗わない理由を聞いてみると、
「買ってから2年経つけど洗ったことない」
「1年前に洗ったきり。つい面倒で…」
「チャイルドシートのカバーが洗えること知らなかった」
「せっかく苦労してチャイルドシートを車につけたので面倒」(※チャイルドシートを車につけたまま、カバーだけ外すこともできます)
などの理由があるようです。
しかしチャイルドシートはこどもの肌に直接触れるもの、常に清潔な状態で使いましょう。とくにアトピーや喘息のお子さん、アレルギー体質のお子さんはこの時期は1週間に1度は洗濯をして最大限、清潔に保ってあげてください。
チャイルドシートカバーの洗い方
それでは、チャイルドシートの洗い方について説明します。
まずチャイルドシートは洗濯するために、車から降ろす必要はありません。ほとんどのチャイルドシートは車のシートに固定したまま、カバーだけを外して洗濯できます。基本は取扱説明書にカバーの外し方などが明記されていますので、取説を確認してください。チャイルドシートは樹脂でできた「本体」とそれにかけられる「カバー」で構成されています。サンシェードがついているタイプもありますが、サンシェードも外して手洗いが可能です。
また重要なのは洗濯したあとの取り付けです。どこにどのパーツがどのようについていたのか?取り付ける際にわかるよう、本体から外す前にスマホなどで撮影しておくとよいでしょう。特に小さなパッド類は、どうやってついていたのか、わからなくなる場合もあります。間違ったつけ方をして外れてしまったパーツを、赤ちゃんが口に入れてしまう危険もあります。
以下は一般的な洗濯、掃除方法です。
【チャイルドシートカバーの洗い方】
①本体からカバーを外します。ひもで縛ってある部分はひもを解いて外しましょう。
②新生児用パッドやハーネスのカバーなどもすべて外して洗濯用ネットに入れます
③丈夫な素材でできているので普通に洗濯機で洗います。いつも使っている洗剤でOKです。
汚れがひどい場合は2-3時間つけ置きしておくとよいでしょう。
④チャイルドシートのカバーは大体どれも速乾できる素材でできています。部屋干しで一晩干せば朝には乾いているでしょう。乾燥機は使わない方が無難です。(高温に弱い素材である場合が多いので)
⑤乾いたカバーをチャイルドシートに取り付けます。※タイプによってはチャイルドシートを車から外さないとカバーがつけにくい場合があります。
【チャイルドシート本体の掃除の仕方】
①窓やドアを開けて車内を換気しながら作業しましょう
②周辺にごみや食べこぼしがあれば掃除機で吸います。
③アルコール系のウェットティッシュやお掃除シートで全体をきれいに拭きます。
(界面活性剤などに影響を受けやすいお子さんは子どもの肌に優しいお掃除用品を使ってください)
④乾いたら洗濯してきれいになったカバーを取り付けます。
お出かけ前にチャイルドシートの再点検を
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ところでチャイルドシートは何歳まで必要なのでしょうか?
法律で義務付けられているのは5歳までですが、そのあとは車のシートベルトが安全に使える身長150cm(11-12歳)になるまで、ジュニアシート(学童用チャイルドシート)を使う必要があります。
大事なことは年齢ではなく体にあったチャイルドシートを使うこと。身長150cm以下ではシートベルトが首や顔にかかって、事故の際、衝撃でベルトが首を切ってしまう恐ろしいこともあり得ます。
なお、背もたれのない座面だけのジュニアシート(ブースターシート)は、現在新しい安全基準によって身長125cm体重22kgを超えてから使うことが義務付けられています。古い基準のブースターシート(ベルトの高さを調整する『スマートキッドベルト』なども同様)の中には「ECE R44/04適合 3歳、15kgから使える」と書いているものがありますが、こどもの安全を第一に考えて身長と体重を目安に使いましょう。
チャイルドシートは、大切なお子さんを事故の衝撃から守るためのもの。正しい知識を持って使い、楽しい家族の時間を過ごしてくださいね。
Text by 加藤久美子
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山口県下関市生まれ 大学卒業後、日刊自動車新聞社編集局に入社し1995年よりフリーランス。2000年第一子出産。妊娠中のシートベルトやチャイルドシートに関する正しい情報を発信し啓発記事多数。Yahoo!ニュースに掲載される自動車メディアの他、FRIDAY、現代ビジネスなどにも寄稿。 チャイルドシートに関する最新かつ正確な情報を発信する国内有数のジャーナリストでもある。
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