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災害級の暑さから身を守るために知っておきたい新常識

2023.08.02エッセイ
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連日、35℃を超える猛暑日が続き、熱中症で搬送される人も続出しています。
脱水症状に陥らないよう水を飲んだり、エアコン冷房をしっかりかけたり、対策を心がけている人も多いと思いますが、暑さ対策として近年、新たに注目されている方法があります。そこで今回は熱中症対策について多く取材する立場から、意外と知られていない新常識を5つ、お伝えしたいと思います。

ハンディファンは体温を超える気温下では要注意

外出先で涼しい風を浴びたい時に便利なハンディファンは、もはや現代人の必須アイテム。今や多くの人が当たり前のように使っています。でも最近の猛暑日に使っても、全然涼しく感じませんよね。これは、人が涼しさを感じる原理と関係しています。

人が風に当たると涼しく感じるのは、肌のまわりに溜まった体温に近い温度の空気を吹き飛ばし、新しい空気と入れ替わるため。体温が36℃前後だとすれば、それに近い温度の空気の層から、外気に近い温度の層になり、涼しく感じられます。しかし外気が体温より高くなってしまうと、空気の層を入れ替えたとしても温度は下がらず、涼しく感じません。むしろ熱風を体に吹き付けることになり、熱中症リスクを高める可能性もあるため、注意しましょう。

もう1つ、風に当たると涼しく感じる原理として、風が皮膚に当たると体表の水分が蒸発し、熱を奪っていくという気化熱の効果があります。そのため、汗をかいていたり、皮膚を濡らした状態で扇風機の風を当てれば、より多くの熱が奪われ、いくらか涼しさを感じられるかもしれません。とはいえ猛暑の環境下でハンディファンは焼け石に水、と考えたほうがいいでしょう。

新事実。暑くなったら「手のひらを冷やす」

熱中症対策として、水分を摂ると同時に推奨されているのが、身体を冷やすことです。これまで、首や脇の下、そけい部に太い血管が通っているため、そこを冷やすと効率的に体全体が冷やせるとされてきました。ところが近年の研究では、これらの太い血管より、手のひらや足の裏、頬を冷やしたほうが、より効率的に深部体温を下げられることがわかったそうです。

実は手のひらには、静脈と動脈をつなぐ動静脈吻合(ふんごう)と呼ばれる血管があり、ここで体温調節を行っています。この血管はふだんは閉じていますが、体温が上がると開き、手のひらから熱を発するのです。そのため体温が上がったときに手のひらを冷やすと、冷えた血液が体全体を巡り、深部体温を下げる効果が期待できるというわけです。

ただし冷やしすぎは禁物。冷たすぎると血管が収縮し、指先まで血液が流れなくなる可能性があります。保冷剤や氷はタオルで包むなどして、温度は15℃前後に留めるよう心がけましょう。

頭からドバッと出る汗対策も、「手のひら冷却」で

目的地に向かって一生懸命歩いているときは、そんなに気にならなかったのに、着いた途端に頭から汗がドバッと流れ始める……。人と待ち合わせしているときなど、大汗をかいて恥ずかしい思いをしたことがある人も多いのではないでしょうか。

実はこれも、血流が関係しています。そもそも汗の原料は血液で、血液から作られているのをご存知でしょうか。実は汗は、血液が汗腺で赤血球などを取り除いた血漿を元に作られています。しかし歩いているときは、血液は筋肉に集中しているため、汗をつくる余裕がありません。しかし立ち止まった途端に、血液は汗を作るほうにまわるため、一気に汗が吹き出してしまうのです。この汗を止めたい場合も、やはり「手のひら冷却」が効果的。もちろん汗は、ほてった体を冷やす機能を果たしていますが、どうしても汗をかきたくないときに試してみましょう。

就寝中はエアコンつけっぱなしが新常識

よくエアコンの節電方法として、「就寝時は、タイマーをかけて途中で切れるようにしている」という声が聞かれます。しかし夜中にエアコンが切れ、徐々に室温が上がって寝苦しくなり、目が覚めてしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。一晩中エアコンをつけるなんて電気代がもったいない、という気持ちもわかりますが、熱中症の約4割は夜間に起こっており、就寝中もかなり危険。また寝苦しくて十分睡眠が取れなかったことで体調を崩し、熱中症になりやすくなるといった悪循環に陥ってしまうことも。

ですから、今は就寝中もエアコンはつけっぱなしが推奨されています。夜間は気温が下がるため、気になる電気代も、日中に比べると抑えられますし、何より熱中症にかかったことで、仕事のクオリティが下がったり、入院することになったりしたら、電気代より高くつく可能性も。健康第一と割り切って快眠を優先してはいかがでしょうか。

エアコンとの併用に空気清浄機も活用できる

エアコンを効率よく使うには、空気のかくはんが重要です。
空気は、冷えると収縮して重くなるため、床周辺ばかりが冷え、逆に暖かい空気は天井付近に上っていきます。そのため、「足は冷たいのに、頭は暑い」という不快な状況に。またエアコンの室内機も高い場所に設置されているため、室内機周辺はなかなか設定温度に到達せず、ムダに運転を続けることになってしまいます。
そんなとき、室内の空気をかき混ぜる機器と併用することで熱ムラが抑えられるとして、節電の観点でも注目されています。
熱ムラ解消にはサーキュレーターが一般的ですが、扇風機や空気清浄機も、気流を生み出しているため、熱ムラ解消にひと役買ってくれるのです。

特に空気清浄機は、空気をきれいにしながら空気をかくはんしてくれるため、一石二鳥。今、お持ちの方は、空気の流れを確認しながら、上手に取り入れえてみてはいかがでしょうか。

Text by 田中真紀子
ブルーエア空気清浄機

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家電・美容家電ライター
田中真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行う白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。