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ウイルス対策の基本は手洗いというけれど… 1日の外出でウイルスに触れる頻度はどれくらい?

2023.11.07エッセイ

本格的な冬を待たずに、インフルエンザが流行しています。厚生労働省によると、インフルエンザを予防する有効な方法は、外出後の手洗い・手指消毒、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養、人混みへの外出を避ける、など。これらは新型コロナウイルス対策として、みなさんが心がけてきたことではないでしょうか。

特に重要なのが、外出後の手洗い・手指消毒です。私たちは一度出かけると、気づかないうちにさまざまなものに触っており、その手で口や鼻、目などを触ってしまうと、ウイルスに感染してしまいます。
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実際、外出時に自分が何を触っているか、1日の行動をチェックしてみました。

タッチパネル、手すり、トイレ……外出先は触りまくり!

まずは朝、電車に乗る前にコンビニで飲み物を購入。支払いの際に、支払い方法をタッチパネルで指定しました(1)。次に駅のトイレへ。便座は手持ちの除菌シートで拭き上げていますが、少し心配はあります(2)。さらに電車に乗る際、エスカレーターでは手すりを、車内では吊り革をガッチリ握ります(3)。感染ルートとして不安視される場所ですが、体幹が不安な私は握らざるをえません。

この日の訪問先のビルは、扉が自動ドアではなかったので、取っ手を触って開けました(4)。そしてエレベーターのボタンを押し、目的階へ(5)。訪問先は、入口に置いてあるタッチパネルで担当者を呼ぶ方式だったので、部署、名前…とポチポチ選択していきました(6)。打ち合わせが終わった後は、一緒に近くのレストランでランチを。水はテーブルに置いてあるピッチャーから自分で注ぐセルフサービス方式でした(7)。

このように振り返っても、自分自身あちこち触らないように心がけていたつもりでしたが、半日で7回、不特定多数の人が触れたであろう場所を触っていました。これが小さいお子さんだと、保育園や公園で友達が触れたもの(舐めていることも)で遊んでいますし、好奇心旺盛なので想像しない場所や物を触っている可能性があります。結局、何かに触らずに生活するのは不可能ですので、やはりこまめな手洗いが重要であることがわかります。

付着したウイルスは数日間感染力を維持!

ここで改めて、ウイルスの感染経路について調べてみました。花王衛生科学研究センターによると、ウイルスの感染経路は大きく3つ。感染者の咳やくしゃみによる「飛沫感染」、感染者に直接触れたり、飛沫が物などの環境表面に沈着し、それに触ることによる「接触感染」、そして空気中に浮遊する飛沫核や塵埃による「空気感染」です。

特に注意したいのが、感染者本人からの飛沫感染です。感染者を介護者が15分間看護したという単回濃厚接触シナリオでは、介護者の手指からの接触感染経路の寄与率が31%であるのに対し、感染者の飛沫が直接介護者の口や鼻、眼に付着する飛沫経路経路の寄与率は52%と報告されているそう。お子さんがインフルエンザにかかってしまうと、介護する親御さんも感染しまう確率が高くなるので、より注意しなければいけません。

筆者もかつて息子がインフルエンザで入院した際、泊まり込みで介護したところ、4日目の退院日に高熱が出て、インフルエンザにかかりました。お医者さんには「くれぐれも感染に気をつけて」と言われていましたが、そのときは自分のことに構っている余裕はありません。今となっては、せめてマスクをするべきだったとか、こまめに手を洗うべきだったと思いますが。

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驚くべきは、ウイルスの生命力。環境中に放出されたウイルスは生活環境の様々な表面に付着したあと、長くて数日間ほど感染力が維持されるといいます。こちらは新型コロナウイルスの事例ですが、集団感染が発生したクルーズ船において、廊下排気口やトイレの床、枕などさまざまな場所からウイルスが検出されたと報告されています。

ウイルス対策はマスクと換気、空気清浄機も忘れずに

以上のことから、インフルエンザ対策として重要なのは、手洗い・手指消毒はもちろんのこと、飛沫感染を防ぐために感染者が身近にいる場合や不特定多数の人がいる人混みではマスクをしたほうがいいと実感します。さらに室内の換気も有効ですので、空気清浄機を24時間稼働させておくといいでしょう。特にウイルスの大きさは0.1μm程度と言われていますので、空気清浄機を選ぶ際は、0.1μの微粒子が取り除けるかどうかもチェックするといいかもしれません。

参考:新型コロナウイルスの環境除染方法 感染経路(花王衛生科学研究センター)

Text by 田中真紀子
ブルーエア空気清浄機

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家電・美容家電ライター
田中 真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行う白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。