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柔軟剤や香水のニオイが疾患の原因に?「香害」からこどもを守るには

2024.11.14エッセイ
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昨今、柔軟剤や入浴剤などに含まれる人工的な香料が原因で、頭痛や吐き気などの健康被害を及ぼす「香害」が問題視されているのをご存知でしょうか。実際、消費生活センターにも多数の相談が寄せられており、厚生労働省も「香害」に対する周囲への配慮を促す啓発活動を行っているほどです。

シャボン玉石けん株式会社が2021年に20〜60代の男女を対象に行った調査によると、人工的な香料で不快感を覚えた人は71%、体調不良を起こした人は36%に。およそ3人に1人が体調不良を経験している状況です。

さらに「香害」の認知率も71%と年々高まっているものの、いまだに香料付き製品を使用している人が多いのが現状です。

香害が原因で化学物質過敏症に?

そもそも香害とは、柔軟剤・入浴剤・化粧品・合成洗剤・芳香剤といった製品に含まれる強い香りによって引き起こされる健康被害を指します。これらの製品に含まれるVOC(揮発性有機化合物)も、ニオイの原因のひとつです。香害による健康被害の症状は多様で、頭痛、吐き気、めまい、動悸、蕁麻疹、喘息などが報告されています。

さらに、香害が原因で「化学物質過敏症」を発症することもあります。化学物質過敏症とは、化学物質を吸い込むことで、同系統の化学物質に対して過敏に反応し、微量でも頭痛やめまいといった健康被害が生じる病状のことです。重症化すると日常生活に大きな支障をきたすため、できるだけ原因物質との接触を避ける必要があります。香害問題への対策が急務とされる一方で、多くの人々はその影響を軽視しているのが現状といえるでしょう。

私もこれまで、香害の深刻さを十分に認識していませんでした。以前、知人が苦手な香りの香水をつけていて、それを嗅ぎ続けた結果、気分が悪くなったことがあります。当時は単なる気分の問題だと思い、自分が敏感すぎるだけで健康被害とは考えませんでした。そのため、自分が我慢すればよいと思い、対処法を考えることもしませんでした。しかし今になって思えば、深刻な被害につながっていた可能性も否定できません。

現在の状況を踏まえると、香害は健康の問題として捉えて対策するという考えを改めたほうがよさそうです。

香害は指摘しにくいのが問題

ただ、香害の問題における厄介な点は、相手の不快なニオイを指摘しにくいことです。ニオイはデリケートな問題で、親しい友人に対してさえ言い出しにくいものです。

また、ニオイを発している本人は、他人に不快感を与えている自覚が乏しいため、指摘すると逆上されたり、プライバシーの侵害と受け取られたりする可能性があります。場合によっては、嫌がらせをしているような印象を与えかねません。頭痛や咳、めまいなどの症状を訴えても、香りで体調を崩すというイメージが伝わりにくく、大げさだと思われる恐れもあります。

このように指摘するリスクが高いと感じられるため、体調不良が出ても我慢してしまうのは、ある意味やむを得ないことかもしれません。実はこうした人間関係への配慮から声を上げにくく、泣き寝入りするしかない状況に陥り、結果として休学や退職を余儀なくされるケースも報告されているのです。

では、香害対策が難しい現状において、私たちに今できることは何でしょうか。

自分が心地よい香りは、他人には不快かもと考える

まず自分ができることは、相手に香害を与えないことです。

そのため、香りが周囲に不快感を与える可能性があることを認識することが重要です。自分の好みの香りでも、他人にとって好ましくない場合があります。自分の発するニオイには気づきにくいものですので、親しい友人に意見を聞くことで自分のニオイを客観的に把握するのもいいでしょう。特に柔軟剤や香水は使いすぎると香りが強くなるため、適量を守り過剰使用を避けるとよいでしょう。

一方でやはり、ニオイを発している人の行動を変えるのは難しいのが現状です。そのため、今できることは一人一人が「香害」の問題を認識していくことが重要です。職場や学校、身近な人に「香害」という問題が存在することを周知することが、解決への第一歩となるでしょう。

室内環境の対策として、空気清浄機を使用することも効果的です。対策が難しいとされる香害の問題ですが、まずは身近な環境整備から始めてみるのもよいかもしれません。

ブルーエア空気清浄機は「香害」の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の軽減に効果を発揮します。VOCなどの化学物質が気になる方はぜひチェックしてみてください。

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Text by 福永 太郎
ブルーエア空気清浄機

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ライター・編集者
福永 太郎

家電専門家を中心にさまざまな分野の専門家に取材を行う。ROOMIE、ライフハッカー[日本版]、ギズモード・ジャパンなどで執筆。