コラムColumn
空気清浄機でカビ対策ができる理由をカビ発生のメカニズムから解説
これから梅雨に入ると、カビの発生が気になりますよね。
カビは放っておくと壁や床に付着してガンコな汚れになったり、不快なニオイがしたり、住まいに悪影響を及ぼすことに。さらに空気中に浮遊するカビ胞子を吸い込むと、アレルギー性鼻炎や過敏性肺炎など、健康上の問題を引き起こすこともあります。
そんなカビの発生を抑える家電といえば、除湿機が知られていますが、実は空気清浄機でもカビ対策ができるということをご存じでしょうか。今回は、そんな空気清浄機の“もう一つの顔”をご紹介します。
梅雨にカビが増殖しやすい理由とは
*
室内の空気中には常に、無数のカビ胞子が漂っています。そしてこのカビ胞子が壁などの付着し、一定の条件がそろうと大繁殖します。それが「温度」「湿度」「栄養源」です。
・温度……20〜30℃が最適
・湿度……80%以上で活発化
・栄養源……ホコリや食べかす、フケ・アカなどの有機物
つまり気温が徐々に上がり始め、湿度も高い梅雨の時期は、カビにとって大増殖できる絶好のタイミング!室内の空気1㎥あたり100個以下だったカビが1000個以上に増えてしまうと、そのぶん建物や人体への影響も大きくなりますので、しっかり対策したいところです。
空気清浄機がカビ胞子を減らし、カビの発生そのものを抑える
カビ対策の具体的な方法は、前述のカビが増殖する3条件である「温度」「湿度」「栄養源」をコントロールすること。温度はエアコンで下げられますし、湿度は除湿機で下げられます。また窓を開けて換気をしたり、カビが生えやすい場所に扇風機やサーキュレーターの風を当て、湿気を追い出す方法もあります。
そして栄養源となるホコリなど減らすために活躍するのが、空気清浄機。
そもそもホコリ自体にも、1gあたり10万〜100万個のカビが検出されるといわれていますので、空気清浄機でホコリを除去することは、カビの発生とカビそのものを減らすことになります。
さらに空気清浄機は、カビ胞子自体も除去できます。
カビは、浮遊しているカビ胞子が壁や床などに付着して菌糸と呼ばれる根を張り、先端から新たなカビ胞子を発生させて、空気中に撒き散らします。つまり、このカビ胞子を取り除けば、壁や床に付着するカビも減らせ、結果的に次なるカビ胞子の繁殖が抑えられるというわけです。
ちなみにカビ胞子の大きさは、菌種によって異なるものの、多くが直径2~10μmといわれています。HEPAフィルターを搭載した一般的な空気清浄機は0.3μm以上の微粒子を除去することが可能ですので、カビ胞子の除去はお手のものです。
空気清浄機がかえってカビの温床に…?!カビに負けない空気清浄機の使い方
カビの胞子を吸引・除去してくれる空気清浄機ですが、内部はカビの繁殖条件である「温度」「湿度」「栄養」の条件に当てはまってしまいがち。
カビをしっかり除去し、また空気清浄機内部で繁殖させないためにはいくつかのポイントがあります。
①運転を止めない
空気清浄機に限らずカビ対策として重要なのは、乾燥と通風です。なので、空気清浄機も通風を続けていればカビなどの細菌類の繁殖を促したり温床になることはありません。
空気清浄機は常時運転し通風し続けることが室内の空気環境を良好に維持するための最も簡単なテクニックのひとつです。
24時間使用することを念頭に、省エネ性能に優れた製品を選ぶといいでしょう。
②こまめにお手入れする
お手入れを怠るとかえってカビの温床にしてしまう可能性もあります。
特に注意したいのが加湿機能を備えた空気清浄機。加湿タンクや、加湿フィルター、その周辺のパーツは水気を含み湿気を帯びているので、特に入念なお手入れが必要です。
また構造が複雑になる分、ホコリやカビが付着しやすい一面もありますので、こまめなお手入れを心がけましょう。
「こまめなお手入れ」に自信がない方は、定期的にフィルターを交換するタイプを選ぶといいでしょう。フィルター交換タイプは、面倒な手間をかけずに常にフィルターを衛生的な状態に保つことができます。
カビ対策に強いBlueair Protectシリーズ
ブルーエア空気清浄機は、加湿機能を持たない特化型空気清浄機です。そのため空気清浄機内部には湿気を含むパーツがありません。
また、第三者機関によってカビ菌除去率99%以上*という高い性能が実証されています。
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中でもフラッグシップシリーズの「Blueair Protect」は、ウイルス・菌*1*2を抑制するための特別な機能「Germshield」を備えています。
Germは英語で「細菌」「雑菌」のこと。shieldは「遮蔽」「防護」などを意味し、文字通り細菌類から防護するための機能です。
たとえ電源OFFのときでも常に高性能センサーが部屋の空気をチェックしています。温度や湿度など菌が繁殖しやすい環境を検知すると、自動的に本体内部とフィルターにイオンチャージを与え、微風を起こして乾燥させることで菌*1を抑制します。
みなさんの中には、花粉対策やウイルス対策として空気清浄機を購入した、という人も多いかもしれませんが、空気清浄機は引き続き、梅雨の時期にもいい仕事をしてくれるアイテムです。梅雨の湿気対策に、除湿機とともに空気清浄機も取り入れてみてはいかがでしょうか。
Text by 田中真紀子
ブルーエア空気清浄機
*1:【試験機関】Vkan Centification & Testing Co.,Ltd.【対象】1種類の菌【試験方法】試験室(30 ㎥)において1種類の菌を含んだ懸濁液を噴霧し、Blueair Protect 7770iを運転させ菌をフィルターに捕集。試験機の GermShield™ モードを ON にして温湿度チャンバー(10 ㎥)の中で24 時間運転後、フィルターから菌を採取した。【試験結果】24時間で87.33%抑制 (WTS2020-19917) *密閉した試験空間での効果であり、実使用空間での実証結果ではありません。
*2:【試験機関】Guangdong Detection Center of Microbiology【対象】1種類のウイルス【試験方法】試験室(30 ㎥)において1種類のウイルスを含んだ懸濁液を噴霧し、Blueair Protect 7710iを運転させウイルスをフィルターに捕集させた。試験機の GermShield™ モードを ON にして温湿度チャンバー(10 ㎥)の中で24 時間運転後、フィルターからウイルスを採取した。【試験結果】24時間で99.8%抑制 (2020FM24061R01E) *密閉した試験空間での効果であり、実使用空間での実証結果ではありません。
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家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行う白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。
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