コラムColumn
とうとう「お父さん臭い」と娘に言われた ひきこもり編集者の悲哀
「お父さん、臭い」
ある日突然、娘に言われた。ああ、とうとうこの日が来てしまったか。世のお父さんが必ず通るこの道。可愛い娘に「臭い」と言われて避けられてしまう。それが娘の成長と分かっているけど、寂しい。とっても寂しい。
なーんてセンチメンタルに書いてしまったけど、娘はもう24歳。小さなこどもが発する「臭い」とは意味が違う。臭いというからには本当に臭い。物理的(?)に臭い。
私の仕事部屋兼寝室のベランダに洗濯物干しがあるため、妻は毎朝、私の部屋を通って洗濯物を干す。だから妻にも訊いてみた。「うん、部屋がオヤジ臭い」。目を逸しながら言うんじゃないよ。
フリーランスの編集者という職業柄、コロナ禍もあって仕事場兼寝室にほぼひきこもり。食事とトイレ、お風呂以外は24時間ずーっとひきこもり。50歳を超えたおっさんが四六時中ひとつの部屋こもっていたら、そりゃ加齢臭が充満して凝縮されるわ。あはは。
というか、もっと早く言ってよ。オヤジ臭を引き連れたまま、オレは仕事に出かけていたのか。電車で横に座った人たち、発表会で横に座ったメディアの仲間たちに「この人、臭い」と思われていたのか。恥ずかしい。
みんなマスクしているからセーフ。
いや、そういう問題じゃない。ダンディな50代を目指しているんだから、身だしなみにも気をつけたいのよ。コロンなんかも買ってみたけど、加齢臭の上に重ねがけしたって、より悪臭を放つだけじゃない?
根本から改善しないとダメだと思うの。
家電ライター兼編集者という職業柄、一応、自室には空気清浄機はあります。でも、幸いにもまだ花粉症を発症していないので、そんなに空気質を意識しておらず、空気清浄機はつけたりつけなかったり。むしろ、つけていないほうが多いくらい。
だけど、家族に臭いと言われたことで、あわてて空気清浄機のスイッチをオンしましたよ。ええ。空気清浄機の能力を最大限引き出すためには24時間つけっぱなしがよいというので、仕事中も寝ている時も、食事やお風呂の最中、昼食を取るために外出している時もつけっぱなしですよ。
*
この成果は、わずか1日で現れた。空気清浄機をつけ始めた翌日に娘に確認してもらったところ、「臭わなくなった」と。びっくり。
昔、とある漫画で読んだことがある。臭いというのは、その臭いの元となる分子が鼻の粘膜に付着することで感じていると。つまり、オヤジ臭の分子が部屋中に充満しているわけで、それを空気清浄機で吸い取り、消臭フィルターで濾し取ってやれば部屋の臭いはなくなる。うん、理にかなっている。
もちろん、これだけでは根本的な解決には至らないので、妻からはパジャマと枕カバーは頻繁に交換、部屋着も頻繁に洗濯に出しなさい、とキツく言い渡されました。ダンディな50代になるのも疲れるぜ。
鼻は慣れる。リビングも臭いに違いない
ところで我が家では猫を1匹飼っている。この猫、かなりのわがまま&寂しがり屋で、常に家族と一緒にいないと拗ねて粗相をする。なので、汚い話ではあるが、猫用トイレはリビングに置いてある。
臭いは慣れる、人の鼻は慣れると言う。だから自分の体臭や口臭には気づきにくいのだが、家も同じだ。こどもの頃、友達の家がちょっと臭く感じた経験が誰しもあると思う。おそらく友達も同じように我が家を臭く感じていたのだろう。こどもの時分は分からなかったがそういうことだ。
「お父さん臭い」発言を受けた今の私なら分かる。家族も慣れてしまって何も感じていないけど、きっと我が家のリビングは猫ション臭いに違いない。
我が家にはほとんど来客がなかったので、これまでは全く気にしてこなかったが、少々訳あって昨年から月イチくらいで娘のところにお客がくるようになった。
私の仕事部屋がオヤジ臭にまみれているなら、リビングもまずいでしょう。
ということで、今、リビングも空気清浄機を24時間つけっぱなし。家族が寝静まってリビングから人がいなくなっても、みんな仕事で外出しても、つけっぱなし。家族の鼻は慣れてしまっているので変化は分からないけど、ペットの臭いが消えていることを期待したい。お客さんの反応は怖くて聞けないもの。
そういえば以前、とあるお家に招かれて行った時、そのお宅ではフェレットを飼っていたのだが、リビングに入った瞬間かなりの獣臭がしていた。しかし、家人はまったく気にしていない様子。私も、1時間も居たら全く気にならなくなった。慣れとは本当に恐ろしいものである。
加齢臭やペット臭は放置しても健康面での被害は特にないけど、清々しい空気の中で生活するにこしたことはない。在宅ワーカーと言えども時々は仕事で外出するし、昼食を買うため近所のスーパーやショピングモールに行ったりもする。その時、家の臭いを引き連れていくのは少々恥ずかしいことだ。
そういえば、閉め切った部屋に長時間滞在すると二酸化炭素濃度が上昇し、それによって仕事のパフォーマンスが落ちると聞く。仕事部屋では空気清浄機を24時間稼動させつつ、定期的に窓を開けて換気も行うなど、今後は空気の質には気を配っていこうと心の誓うのであった。もう家族に「臭い」と言われないためにも。
Text by 近藤 克己
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家電流通専門誌編集長、編集プロダクションの経営を経て、フリーランスのエディター・ライターに。家電製品・家電量販店だけでなく、デジタルガジェットやアウトドアグッズなど幅広く取材・執筆・編集を行う。大手家電量販店の顧問を務めた経験も。
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