コラムColumn
猛烈に暑くなる夏の車内を快適に保つ秘訣~旅をしながら仕事するバンワーク夫婦が伝授~
今年のゴールデンウィークは、どこに行っても旅行客で溢れていた。3年続いたコロナ禍での外出自粛ムードが少しずつ緩和され、ようやく旅行を楽しむことが許される状況になったからだろう。
私たち夫婦(編集ライター)は、例によってバンワーク(=車に乗って移動し、さまざまな場所で仕事をすること)三昧の日々だった。47都道府県制覇を目指し、昨年から全国を巡っているが、残すところあと10道県。ゴールデンウィークには、その中の1つである福井県を訪れた。
旅の間はお天気に恵まれた。晴天続きで移動しやすいのは助かったが、気温がどんどん上がって車内温度が30度を超えることも多いのには参った。出かけるときはそこまで暑くなるとは思っていなかったのだ。窓を開けて風を入れれば少しはマシになるが、夜になると虫が飛び込んでくるのでドアが開けられない。こんなことなら早めに網戸をつけておけばよかったと少し後悔した。
今年もまもなく夏がやってくる。車中泊の最大の敵は「暑さ」だ。冬の寒さはストーブがあればなんとかなるが、夏の暑さはそう簡単には解決できない。外気温が35度になれば、車内温度は40度を超える。昨年の夏は、あまりの暑さに体調を崩したこともあった。そこで今回は、昨年の猛暑を車のなかで過ごした私たちの経験を踏まえ、比較的簡単に実践できる暑さ対策についてお伝えしようと思う。
出かける前に準備しておきたいこと
まずは、ドライブに出かける前にエアコンを点検しておくことをおすすめしたい。エアコンの燃料でもあるエアコンガスが足りなくなると、冷風が出てこなくなる。エアコンガスはガソリンスタンドやカー用品店などで補充できるので、早めに追加しておくと安心だ。
エアコンのフィルターも点検しておこう。エアコンフィルターは、空気の通り口にセットされている。フィルターが詰まってしまうと空気が通らなくなるため、冷たい空気が出てこなくなる。エアコンフィルターはECサイトなどで販売されているので、夏になる前に交換しておくといいだろう。
目的地を決める際にも注意が必要だ。目的地の選び方によって、過ごしやすさは大きく変わってくる。避暑目的で出かけるなら、少しでも高い場所を選んだほうがよい。標高が100m上がると、約0.6度気温が下がる。つまり標高500mの場所に移動すれば、それだけで気温が3度下がるということになるのだ。なお、標高はスマートフォンのアプリでチェックできる。iPhoneにははじめから「コンパス」というアプリが入っているが、そこに標高も表示されるので、気になる人はチェックしてみてほしい。
車を停めて休憩する時に気をつけたいこと
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車を停めるとき、駐車場所にも気をつけよう。駐車場全体を見渡して、もし木陰があればその下に停めたほうがいい。屋根がある駐車場であれば、さらに安心だ。上だけでなく、下もチェックしておく必要がある。アスファルトやコンクリートより、芝生や土のほうが暑くなりにくい。ちょっとしたことのように思えるかもしれないが、その影響は絶大だ。駐車場に着いたら、慌てて停めるのではなく、少しでも暑さがしのげる場所を選んで停めるようにしよう。
車を停めた後は、フロントガラスにサンシェードを装着することを忘れずに。サンシェードを持っていくと邪魔になるという人は、常設タイプのロール式サンシェードを選ぶという方法もある。車のサンバイザーアームに取り付けておき、使うときのみサッと引き下ろして使える。太陽の向きにもよるが、もし側面から太陽光が当たるようであれば、側面の窓にもサンシェードを取り付けておくとなお安心だ。
車内に風を取り入れる
車の中で休憩するのであれば、車内に風が通るように工夫する必要がある。バックドアやスライドドアを開けて風が流れるようにすると、かなり気温が下がる。このとき、必ず2箇所の窓を開けることを忘れずに。吸気口と排気口の2つが開いていなければ、空気の流れが生まれない。このとき、近くの窓を開けるのではなく、たとえば運転席とバックドアというように、離れた場所の対角線上にある窓を開けたほうがいい。これで車内の空気が流れるようになる。
私たちはハイエースに乗っているため、バックドアを開くと後方にかなりのスペースが必要となり、スペースに余裕がない駐車場だとうまく開けられない。そこで、バックドアを少しだけ開いて止めるストッパーを購入した。これを使えば、扉を全開にするだけのスペースがなくても風を通すことができる上、人から中を見られることもない。
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もし扇風機があれば、それを使って冷たい空気を車内に取り込むようにするとさらに効果的だ。1台設置して空気を流してもいいし、吸気と排気の2箇所に設置するとなおいい。扇風機はUSB電源で動くものやバッテリーを備えたものがある。USB電源で動く扇風機を使う時は、スマートフォンなどを充電するモバイルバッテリーを使うと便利だ。
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以上はドライブでも役立つ暑さ対策だが、やはり夏の車内の温度上昇は異常だ。特に炎天下では、短時間でも40℃を超え、健康や命にかかわるので、こどもと出かけるときは注意したい。
さらに私たちのように車中泊を楽しみたいのであれば、これだけでは足りない。熱帯夜を車のなかで過ごすには、相当の準備が必要だ。私達は昨年、スポットクーラーを導入したが、クーラーを補うだけの十分な電力が確保できず、あまり活用できなかった。この課題を解決する手段は、まだ見つかっていない。もし最適解が見つかったら、秋を迎える頃に皆様にお伝えしたいと思う。
Text by 井上真花(オフィスマイカ)
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雑誌、書籍、新聞やWeb記事などを制作する編集プロダクション「マイカ」社長。コロナ禍を機にフルリモート体制となり、自作キャンピングカーを職場とする「バンワーク」を実践中。ライター業では人物インタビューやモバイルガジェットのレビューを担当し、インタビュー企画「1000人に会いたいプロジェクト」をライフワークとしている。オウンドメディア「別冊マイカ」:https://www.office-mica.com/magazine/(外部リンク)
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