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交換フィルターは純正でなくても大丈夫? 答えはNo!性能低下や健康被害の懸念も

2023.10.16エッセイ

空気清浄機にとって欠かすことのできない「フィルター」。空気清浄機の性能を左右する重要なパーツです。多くの場合は空気清浄機そのものの性能を維持するため、定期的なフィルター清掃とフィルター交換が推奨されています。

ブルーエアは高い空気清浄性能を維持するため、半年から1年に1度のフィルター交換を推奨しています。しかし近年、メーカー純正品ではない互換フィルターを使用したことによるトラブルがブルーエアサービスセンターに多数寄せられています。

互換フィルターと純正フィルターにはどのような違いがあるのでしょうか?そこで編集部ではいくつかの互換フィルターの素材や性能を検証しました。

なぜブルーエアのフィルターは交換しなければならないのか

そもそも空気清浄機は、空気の汚れをフィルターで取り除き、きれいな空気を部屋に戻しています。つまりフィルターは、清浄性能を左右する要ともいえる存在です。フィルターを使い続けると汚れが溜まり、目詰まりを起こします。目詰まりが起きることで風量が落ちたり、清浄性能が落ちてしまいます。定期的なフィルター交換は、空気清浄性能を長く維持するために、最も簡単で、最も必要なことだとブルーエアは考えています。

空気清浄機の中には、フィルター交換10年不要とするものもありますが、10年間放っておいても性能維持できるというわけではありません。実際、取扱説明書に従って頻繁にお手入れしても、10年後には6〜7割程度まで落ちるといわれています。みなさんの中には「フィルター交換タイプは、ランニングコストがかかるのがネック」と感じる人もいると思いますが、空気をきれいにするためには必要なコストなのです。

ブルーエアはフィルターは純正品を使用していただくようお願いしていますが、近年、互換フィルターの増加に伴い、ブルーエア空気清浄機の不具合のご相談も増えています。互換フィルターがどのようなものか、計15点を取り寄せて検証しました。
※品質は販売サイトによって異なるため、あくまで一例です。

作りが雑、強い異臭、類似素材で代用……

まずはブルーエアの基本的なフィルターの構成を紹介します。製品によって異なるものもありますが、概ね次のとおりです。

①活性炭シート
活性炭を練り込んだシートで、空気中の粒子と気になるニオイを除去する。硬いため、指でつまむことはできない

②活性炭
脱臭効果の高い活性炭をハニカム構造の活性炭容器の中に詰め込んでいる。活性炭容器は強度が高いハニカム構造とし、通気性・吸湿性に優れた素材を使用。さらに通気性のよい化繊ネットで封をしている。また活性炭自体も粒を細かくすることで、表面積を確保し、脱臭効果を高めている。

③フィルター
フィルターも表面積が大きいほど効率よく汚れをキャッチできるため、蛇腹状に折りたたんで表面積を確保している。

これを踏まえたうえで、互換フィルターをチェックしてみましょう。

●Blueair Classic 200のシリーズの互換フィルターの場合

・活性炭シートの代わりに黒いスポンジシートが貼ってあり、本来硬いはずが指でつまむとよく伸びた。
・活性炭容器がプラスチック製で、和紙のような素材で封をしてあるため、通気性が落ちるだけでなく、目詰まりや異音のリスクも。
・活性炭が大粒のため、純正フィルターに比べて表面積が少ない。中には、活性炭ではない大粒ビーズでかさまししているものもあった。
・純正フィルターは高さが28mmあるのに対し、互換フィルターは24mmしかなく、こちらも純正に比べて表面積が小さいと考えられる。


純正フィルターの活性炭シート(右)は硬くてつまめないのに対し、互換フィルターは黒スポンジなので伸びる


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●Blue Pure/Blueシリーズの互換フィルターの場合

・いずれも活性炭シートが薄いほか、繋ぎ目が粗いもの、剥がれやすいものが多く、脱臭効率が落ちる可能性がある。
・フィルターの素材が硬く、通気性が懸念される。すでに黄ばんでいるものや、汚れていているものがあり、保管状態が悪かったり、使用済みが疑われるものも。
・耐えられないほどの生臭さやケミカル臭が強いものがあった。不衛生なだけでなく、空気清浄どころか化学物質を撒き散らす心配がある。
・正方形に広げて使うタイプについて、正方形にならなかったり、枠のサイズが正規品より大きいものがあった。

●Blueair Protectの場合

・活性炭の粒が内蔵されておらず、フィルター自体に砂状の活性炭が練り込まれているのみで、脱臭性能が落ちる可能性が高い。


純正フィルターと互換フィルターの違いは一目瞭然。手触りやニオイなど、感覚的にも違和感を感じるものが多くありました


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性能が落ちるだけでなく不具合、故障の原因にも

以上、15点の互換フィルターをチェックしてみましたが、多くの製品は純正フィルターとは異なる作りでした。こういった互換フィルターではブルーエア本来の性能を発揮できないだけでなく、素材や接着剤による異臭や化学物質による健康被害、故障などの不具合を引き起こす原因にもなりかねません。また互換フィルターを使用して本体が故障した場合は、保証の対象外になります。

ブルーエアは、常にみなさんにきれいな空気を吸ってほしいという思いで設計した、独自のフィルターシステムを採用しています。ブルーエアをご使用の際は、性能が保証された純正フィルターを利用していただくようお願い申し上げます。


互換フィルターを使うリスクまとめ


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Text by こどもの空気研究所編集部
ブルーエア空気清浄機

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こどもの空気研究所編集部