コラムColumn
空気って何?どうして大切なの? 知っておきたい「空気」のこと。
私たちは毎日、たくさんの空気を吸って生きていますが、そもそも空気とは“何者”なのか、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。実は空気には知れば知るほど、面白い性質があって、私たちを守ってくれているのです。今回は、お子さまにも知ってほしい「空気の正体」をご紹介します。
手のひらにかかる空気の重さは、みかん何個分?
今私たちのまわりをつつみこんでいる空気。目に見えないから「何もない」ように感じますが、実は「窒素(ちっそ)」や「酸素(さんそ)」などの空気のつぶがぎっしりつまっています。つまり空気も、みかんやえんぴつ、ボールと同じ「モノ」であり、ちゃんと重さもあるんです。空気の重さは、1Lあたり約1.2g(温度20℃・湿度65%・1気圧)。たとえるなら、1Lの牛乳パックに入る空気の重さが、1円玉より少し重いくらいです。
そう聞くと、全然重くないように思うかもしれませんが、ちょっと考えてみてください。この空気が空に向かって何百kmに渡って積み重なっているわけです。1円玉は軽いけれど、これが何万個も重なれば、かなりの重さになりますよね。私たちの体にかかる空気の重さは、なんと約100kg!手のひらには、みかん約1000個分の重さがかかっていることになるのです。それでも私たちの体がつぶれないのは、上からだけでなく下や横から、さらに体の内側からも押し返す力があるから。この空気の重さのことを「気圧」といいます。
気圧は、地上の低い場所ほど空気がたくさん積み重なっているため“高く”なり、山の上など高い場所では量が減るので“低く”なります。エレベーターで高いビルに上ったり、飛行機に乗ると、耳がキーンと痛くなるのは、急に気圧が低くなり、体の内側から押し返す力のほうが強くなってしまうためです。
あたたかい空気が天井に溜まるのはなぜ?
空気はあたためられると軽くなって上にのぼり、冷やされると重くなって下に溜まりやすくなります。大きな気球が空に浮かび上がるのは、その性質を利用したもの。身近なところでは、寒い日に暖房を入れたとき、顔のまわりはあたたかいのに、足元が冷える経験をしたことがある人も多いかもしれません。では、なぜ空気はあたためられると軽くなるのでしょうか。
そもそも空気のつぶは、いつもはげしく飛び跳ねていますが、あたためられると熱エネルギーが高くなり、さらに激しく動きまわります。すると空気のつぶ同士がぶつかりあい、お互いの間かくが広がったり、外に飛び出そうとしてふくらんでいきます。これによって同じ体積あたりの空気の粒の量が少なくなり、軽くなっていくのです。
ですから、もし部屋で暖房をつけても天井ばかりあたたまってしまうときは、サーキュレーターを使って空気をかき混ぜ、温度のムラを解消しましょう。
人はなぜ空気がないと生きていけないの?
私たちは毎日、ひとときも休まず空気を吸い続けていて、空気がないと生きていけません。空気には、78%の「窒素」と21%の「酸素」、1%の「二酸化炭素(にさんかたんそ)」と「アルゴン」などの成分がふくまれていますが、私たちの体が必要としているのは「酸素」。酸素は、体に入ると食べ物のブドウ糖などの栄養を燃やし、生きるためのエネルギーに変えてくれる働きがあります。逆にいうと酸素が体内に取り込めなくなると、5分から10分で死に至ってしまいます。
では私たちは毎日、どれくらいの量の空気を吸っているのでしょうか。ある試算によると、体重50kgの大人の1日の呼吸回数は約2万8800回、1回に吸い込む空気の量は約0.5Lですから、1日に約1万4400Lもの空気を吸っている計算になります。さらに、こどもは体が小さいので、大人の2倍量に相当する空気を吸っていることに。
そうなってくると気をつけたいのが、体に取り込む空気のきれいさですね。空気が汚れていると、その汚れが体内に入り込んでしまうので、健康上の不安も出てきてしまいます。家にいるときも、きれいでおいしい空気を吸うためには、空気清浄機を使うといいですね。
Text by 田中真紀子
ブルーエア空気清浄機
おすすめ商品
家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行う白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。
関連記事
お子さんと一緒に学ぶ! 空気清浄機はどうして必要なの? ―空気の汚れと空気清浄機の仕組みについて
みなさんは家で空気清浄機を使っていますか?「うちは空気が汚れてないから必要ない」という人もいるかもしれませんね。 ただ実際は、空気中には目に見えない小さな汚染物質が無数に漂っており、呼吸とともにわた...
text by 田中真紀子
こどもの空気研究所がワークショップ・プログラムを開発!~イベントレポート佐久市編~
こどもたちに空気環境改善の大切さを伝える『Blueair こどもの空気研究所』がはじめてのこども向けワークショップを開催しました。 『こどもの空気研究所』と長野県佐久市こども未来館 館長のなおやマン...
こどもと遊ぼう!東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCASTに聞いた、空気を使ったおもしろ実...
家で過ごす時間が増え、「こどもと何をして過ごそうか?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、出張実験教室など幅広く活躍する「東京大学サイエンスコミュニケーションサークルCAST(...
text by 伊森ちづる
こどもの心に残る本を~こどもの本のみせ「ナルニア国」に聞いた 冬に読みたいおすすめの絵本
寒くなるにつれ、暖かい部屋で過ごすことが増えてきます。 この冬は親子でゆっくりと読書を楽しんでみませんか。 今回は銀座 教文館の児童書専門フロア「ナルニア国」 店長の川辺 陽子さんに、プレゼン...
text by 伊森 ちづる