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あると便利な家電は? 使い方は? 花粉症の家族に家電ができること

2021.02.02エッセイ
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春は厳しい寒さが和らぎ、気持ちの良い季節ではありますが、スギ花粉などの花粉症で困っているにとっては頭の痛い季節でもあります。そんななか、私たちがこどもや家族のためにできることとはなんでしょうか?筆者の家電ライターとしての知見と、花粉症歴25年の経験を踏まえつつ、導入しやすい「家電」を使った花粉対策を紹介します。


花粉対策の王様といえば空気清浄機!賢い使い方をご紹介

花粉対策家電といえば、まず思い浮かべるのは空気清浄機ではないでしょうか?ただし、空気清浄機とひとくちに言っても性能はさまざま。ここでは、空気清浄機の選び方と、賢い設置方法を解説します。

花粉対策で空気清浄機を選ぶ場合、覚えておきたいのが花粉の特性です。スギ花粉の大きさはだいたい20~30μmといわれています。空気汚れの代表とされるPM2.5は2.5μm以下の微粒子であることを考えると、だいたい10倍ほどの大きさ。一般的な空中に漂う粒子よりも大きく重いので、30分~40分といった短い時間で床に落下するのが大きな特徴です。

空気清浄機は空中の粒子を吸い込むのには優れていますが、じつは床に落下した粒子を吸い込む力は大きくありません。このため、花粉対策で重要となるのは「床に落ちる前に強い力で素早く花粉を吸い込む」空気清浄機。注目して欲しいのは、空気を吸い込むパワーを示す「風量」という項目です。花粉対策として考えるなら、同じ畳数用でもできるだけ風量の大きいモデルを、可能ならば10立方メートル/分以上の大風量モデルを選びたいところです。

ちなみに、空気清浄機には「適用床面積」というスペック項目もあります。これは「30分で空気を清浄化できる部屋の大きさ」を表したもの。ただし、日本電機工業会で定める、家庭用空気清浄機に関する性能測定基準JEM1467においては、空気の汚れの目安として「紙タバコ5本分の煙に含まれている粒子成分とガス成分」を1日分の空気の汚れとしています。たばこの煙粒子の大きさは0.01~0.001μmで花粉よりかなり小さいので、できれば適用床面積より風量を重視したいところです。風量が表示されていない製品の場合は、部屋の広さに対して3~4倍の適用床面積の製品を選ぶことをオススメします。

すでに空気清浄機が自宅にある場合、どういった使い方をすれば効果的でしょうか? 前述したように、花粉は短い時間で床に落ちてしまうため、早めの対処が重要です。帰宅時は服や髪などに花粉が付着しているため、玄関に置くと高い効果が期待できます。また、リビングなどに設置する場合は、出入り口近くに置くのも有効です。

さらに部屋の空気の循環を阻害しないよう、空気の流れの「最終地点」に置くことも効果的です。最近のエアコンは、夏は冷たい空気を天井に向かって送風し、冬は暖かな空気を床に向かって送風します。このため、冷房時はエアコンの下、暖房時はエアコンの対角に置くと、空気の流れを阻害せずに、効率よく空気を清浄化できます。


空気清浄機と賢く併用したい! 花粉対策家電

●床拭きロボット掃除機

花粉は素早く床に落ちるため、花粉対策には床掃除も重要です。床掃除用の家電には掃除機やロボット掃除機などがありますが、なかでも花粉対策として有効なのが床拭きロボットです。掃除機での掃除では一部の花粉を舞い上がらせてしまう可能性がありますが、水拭きができる床拭きロボットなら濡れたクロスに花粉を吸着させ、花粉の舞い上がりを阻止できるはずです。

●大容量ドラム式洗濯乾燥機
花粉を家の中に持ち込まないため、洗濯物は部屋干しするか洗濯乾燥機で乾燥させたいところ。洗濯機には縦型とドラム式がありますが、乾燥機能を重視するなら縦型よりも断然ドラム式がおススメ。洗濯機の構造上、縦型よりドラム型のほうが効率的でシワになりにくい乾燥が期待できます。また、縦型洗濯機はヒーターを使った乾燥がほとんどですが、ドラム式製品はヒートポンプ式やヒートリサイクル式といった乾燥方式の製品が選択可能です。これらはヒーター式よりも光熱費が格段に安いうえ、ヒーター式より低温での乾燥が可能なので衣類を傷めにくいというメリットもあります。

もうひとつ、最新の洗濯機は大容量化している点も見逃せません。たとえば、大容量といわれる洗濯容量12kgタイプなら、だいたい乾燥容量は6~7kgまで。じつはシングルタイプの羽毛布団は約5kg前後の容量で洗濯乾燥できるので、布団を外干ししたくない場合も洗濯乾燥機でケアすることが可能です(※製品によっては羽毛布団がケアできない製品もあります。取扱説明書で確認を)。このほか、最新の高機能洗濯機なら、イオンやオゾンなどの効果で水を使わずにアレルゲンを不活性化させる機能を搭載した製品もあります。このような製品なら、型崩れしやすいコートや、ぬいぐるみなど、水を使って頻繁に洗うことのできないものも手軽にケアできます。

とはいえ、大容量のドラム式洗濯乾燥機はそれなりに高コスト。「花粉対策のために高価なドラム式洗濯乾燥機は導入できない」という場合は、布団乾燥機や衣類乾燥機などの導入を検討してみてはいかがいでしょうか。

●スチーム吸入器

さまざまな対策をしても、症状がでてしまうことはあります。症状が鼻づまりやムズムズ、喉の不調などの場合に力を発揮するのがスチーム吸入器です。スチーム吸入器は、その名の通り、蒸気を鼻や口から効率的に吸引するための家電。鼻から喉までの粘膜には「線毛」と呼ばれる目には見えないレベルの細かな毛が生えていますが、この毛が小刻みに動くことで、体内に侵入した花粉やウイルスなどを排出してくれます。ただし、鼻や喉などが乾燥しているとこの線毛運動が低下し、異物が体内に侵入しやすくなります。蒸気を直接鼻や口から取り入れられるスチーム吸入器なら、粘膜にしっかり潤いをあたえることが可能。鼻や喉に付着した花粉などの異物を洗い流してくれます。

一般的なスチーム吸引機は水を沸騰させた蒸気を利用していますが、最近は携帯用などで細かな水ミストを吸い込める製品も登場しています。両製品の大きな違いは水の粒子サイズ。水蒸気のほうが水の粒子が細かく鼻や喉に吸着するため、鼻づまりなどに効果的といわれています。反対に、喉のイガイガなどには、しっかり水気を感じられて、異物を流してくれるミストのほうが効果を感じやすいことも。このような効果の違いから、最近は蒸気とミストを混合して利用できる製品も登場しています。

以上、花粉の季節に役立つ家電をご紹介しました。まだ症状が出ていないという人も油断は禁物!家族のためにも上手に採り入れて、花粉の季節を乗り越えましょう。

Text by 倉本春
ブルーエア空気清浄機

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