コラムColumn

こどもと一緒に空気のフシギを解明~オンラインワークショップ篇~

2021.09.01エッセイ

『こどもの空気研究所』はこどもむけワークショップ・プログラムの第2弾イベントとして、オンラインワークショップを開催しました。当ワークショップは長野県にあるsakumo(サクモ)佐久市子ども未来館館長の島崎直哉さん(通称、なおやマン)と共同開発したものです。

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今回のオンラインワークショップは、佐久市でのイベントをオンライン向けにアレンジし、ZOOMミーティングにて開催されました。ファシリテーターは佐久市のイベント同様「なおやマン」と研究員の「おっかー」が務めます。

筆者も小学生の息子と一緒に参加しました。

家の中の外、どちらの空気が汚れているのかな?

まず最初に簡単な自己紹介アンケートからスタート。
何歳か、どの地域から参加しているかなど質問に答えていきます。
この日の参加者は7~8歳の参加者が中心でしたが、5歳の参加者も。

最初は緊張していたこどもたちですが、アンケートに答えていくうちに緊張がほぐれ、リラックスした雰囲気でワークショップがすすんでいきました。



全国各地から参加者が集合

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自己紹介アンケートの後は、空気に関するクイズ。まずは「今日の今いる部屋の空気の感想」をヒアリング。すると、参加者からは「ニオイがこもって嫌な感じ」という声も。続けて「部屋をキレイにする方法はどんなものがある?」という質問には「換気する」「窓を開けて空気の入れ換えをする」「こまめに掃除する」などと、こどもたちからは活発に意見が出ていました。

さらに補足として「おっかー」さんからは、空気清浄機で室内の空気をキレイにする方法も案内されました。こどもたちに実際に自宅で使っているかどうかを聞くと、半分以上の家庭で空気清浄機を使っているようでした。

さて、ここからは空気の汚れに関するクイズや調査の時間です。
最初のクイズは「部屋の中と外、どちらの空気が汚れているか」。

筆者の息子は「絶対、外!」と自信満々に回答していきます。
実は答えは「部屋の中の空気」!
部屋の中よりも外の方が5倍も空気が汚れていると説明されると、意外だったようで筆者の息子は「え?どうして?」と驚いていました。



ワークシートを使いながらクイズに答えていきます。クイズの後には詳しい解説で理解が深まりました。

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続けて「一日で吸う空気の量はごはん何杯分?」という質問では、「10杯分」「50杯分」「100杯分」など意見が分かれます。正解は「100杯分」。

なおやマンは「体重50kgの人は一日空気を数量は20kg。小学生1年生くらいの空気を1日で吸っているそうです」と解説。
それを聞いた息子は、「そんなにたくさん吸うならキレイな空気がたくさん必要だね」とつぶやいていました。

今度は空気の汚れの拡大写真のクイズ。写真が映し出されていきます。
こどもたちからは写真をみてすぐに「ダニ!」「花粉!」など意見が出て、空気の汚れに対する関心の高さが伺えました。

なおやマンからは「髪の毛の太さと比較すると、綿埃と髪の毛が同じくらいの大きさ。花粉やダニはもっともっと小さい。カビももっと小さいです。ウイルスはもっともっともっと小さい。こういうものが部屋の中にふわふわ浮いています」と説明されました。



ダニや花粉などの顕微写真をみながら空気の汚れについて学んでいきます。

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「静電気」と「風」を使ってゴミを集めてみよう

このワークショップ、話を聞くだけではなく、自宅で実験も行います。
まずは静電気を使った実験から。
なんと静電気を使ってゴミが集められるというのです。

ストローを使って静電気を起こします。ストローを毛糸でこすったあと、ゴミに見立てたティッシュや発泡スチロールのビーズに近づけると……くっつきました!



静電気で発泡ビーズがくっつきました

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ほかにも、「マスキングテープで壁を保護した後、両面テープを貼って3日ほど待つと、部屋の中の汚れがくっつきます。どの部屋にどんな汚れがあるか比べてみてください」など、ゴミの集め方が紹介されました。

続いて部屋の中で汚れやすい場所とどんな汚れがあるかを話し合いました。
こどもたちからは「冷蔵庫の裏にホコリ」「お風呂場のカビ」「ソファやベッドにホコリやPM2.5」「テーブルのバイ菌」「ぬいぐるみのダニ」「本棚の上のホコリ」「ピアノの上」など活発な意見が。

具体的な例が次々に飛び出し、空気の汚れに対する関心の高さが伺えました。

部屋の中のどこに汚れがあるかを話し合ったり、自分の考えをノートに書いて、みんなに見せて共有します。

ひととおり予測が終わった後はフィールドワーク。
自分の家の中で、汚れをチェックしにいきます。

「ホコリには直接触らない」「走らない」などのルールを説明されたあと、60秒間ホコリ調査スタート。各自「どんなホコリがあったか」「どんな色だったか」「どこにあったか」などを報告しあいました。

みんなの発表を聞きながら「うちだとどこにゴミがあるかな?」と我が子も考えを深めていました。



各自が家の中でみつけたホコリを報告し合います。

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ハンディーファンを使って空気清浄機を作ってみた

ワークショップの最後に、なおやマンから空気清浄機の作り方が紹介されました。

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オリジナル空気清浄機を作ってみよう
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これはハンディファンとフィルター(不織布やティッシュなど)とプラスチックコップを使って作る空気清浄機。実は、ハンディファンの裏側の風の向きをチェックすると、風がハンディファン側に吸い込まれていくんです。オリジナル空気清浄機作りではこの「す風の力を利用します。

ハンディファンの後ろにフィルターをつけることで空気を吸込み、汚れを取っていくというわけです。さらに、プラスチックコップを使うと吸い込む力がアップします。

さっそく作ってみました。


スズランテープを使って確かめると、ハンディファンの表面からは風が出ますが、逆に裏側は風が吸い込まれているのがわかります。


裏側にフィルターを貼り付け、綿ゴミを吸い込んでみます。あれ?あまりうまく吸い込みません。


プラスチックコップで囲いをつくると、風の勢いが強くなりゴミをよく吸い込みます。

簡単な仕組みですが、空気の汚れを集めてキレイにする様子がよくわかります。
実際に基本的な形を作った後、フィルターの枚数を変えたり、素材を変えるなどいろいろ試してどうすれば使いやすいかなど親子で話し合いました。

これが息子の作品。空気を吸い込む向きが分かりやすいよう、妖怪の「ひとつめ小僧」に見立てたデザインにしました。「妖怪の眼」が空気の汚れをみはるそうです。

一方的に講義を聞くのではなく、双方向の授業だったため、最後までこどもたちが集中してワークショップに参加していたのが印象的でした。

ワークショップ後、筆者の息子に感想を聞くと「実際に家の中のホコリを調査したのが楽しかった。家の中の方が空気が汚れているなんて知らなかった。どれくらいのタイミングで換気したらいいかを知りたいな。うちの空気清浄機はどういう仕組みになっているの?”おっかー”の家みたいにウイルスレベルの汚れもとれてる?」など、空気の質だけでなく普段の換気の頻度や、使っている空気清浄機の性能など興味の幅が広がったようでした。

みなさんもぜひお子さんと、 Youtubeを参考に空気清浄機作りに調整してみてください。



息子もワークショップに参加し、空気の汚れに対する関心が一気に高まりました

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Text by 伊森ちづる
ブル―エア空気清浄機

家電ライター
伊森 ちづる

家電流通業界誌記者を経て、フリーランスのライターへ。家電量販や家電メーカー関係者への取材も行う。自分でも家電を試し、売り手とユーザー両方の視点から記事を執筆。販売ツール監修、省庁に対して家電に関するレクチャーするほか、TVやWEBでも情報発信する。教育×テクノロージー、福祉×テクノロジーの取材も多数。