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今こそ知りたい!換気と空気清浄機、併用のススメ

2021.09.08エッセイ

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、室内の空気環境に対する関心が高まっています。在宅時間を快適に過ごすため、コロナ禍を機に空気清浄機を購入した人もいれば、これから購入を検討している方もいるのではないでしょうか。

中には、換気をすれば空気清浄機は不要、と思っている人もいるかもしれませんが、実は空気清浄機と換気は空気の流れとそれぞれの役割も異なります。

そこで今回は、換気と空気清浄機の違いや空気清浄機との併用方法、さらに空気清浄機の選び方や正しい使い方を確認しておきましょう。


感染症対策で大事なのは部屋の空気を入れ換えること

部屋を締め切っていると汚れた空気がたまってしまいます。
特に近年の住宅は気密性が高いため、汚れた空気が外に出にくいのです。
外気を大量に取り込み、空気を一掃する換気は短時間で効率良く空気をきれいにする理想的な対策です。一方、室内空気に気流を作り有害物質をきれいにする空気清浄機は、換気の効果を助ける役割があります。

換気によって部屋の中の空気と外の空気を入れ換えることで、部屋の空気中にある二酸化炭素や一酸化炭素、ウイルスなどを、部屋の中から外へ出すことができます。
外気を取り入れるときは、空気の通り道を作ることが大切。
30分ごとに1回、数分間窓を全開にしましょう。
換気をする時は、1か所の窓だけでなく、2カ所の対角にある窓を開けると空気の通り道ができて効率的に換気ができます。

もし開ける窓が1つしかない場合や対角に窓がない場合はサーキュレーターなどを利用すると部屋全体を換気できます。

24時間換気システムがあるご家庭では、必ずONにしておきます。
しかし、24時間換気システムを正しく使えていないご家庭も多いので注意が必要です。
換気口から外から空気が入ってきて寒い、または暑いという理由で換気口を閉じてしまう方がいますが、これでは室内の空気に汚れがたまってしまいますので、換気口は開けた状態で24時間換気システムを使いましょう。

そして、よく勘違いされがちなのがエアコンです。
エアコンをつければ換気ができていると思っていませんか?

ほとんどの場合、エアコンを運転しても換気はできません。
エアコンは部屋の空気を吸い込んで熱交換器によって空気を冷やしたり、温めたりして戻しています。外気を取り込んでいるわけではありません。換気ができるタイプのエアコンもありますが、市販されているほとんどのエアコンはできないのです。基本的には部屋の空気がグルグルと循環しているだけなので、換気は必要となります。


換気と空気清浄機は併用がおすすめ

新鮮な空気を取り入れるという意味でも換気は欠かせませんが、特に真夏や真冬、花粉の時期など気候条件が厳しいときはどうしても換気効率が下がり、換気の悪い密閉空間になりがち。季節に関わらず、夜間などの時間帯や、室内に人が集まるときも同様です。

厚生労働省の資料によると、換気の悪い密閉空間を改善するには空気清浄機の活用が有効とされています。HEPAタイプのフィルターによるろ過式で、かつ、風量が5立方メートル/min程度以上のものとしています。
HEPAフィルターとは、通常状態で0.3μmの粒子を99.97%以上捕集できる性能を持つフィルターのことで、他にも細かな指定があります。

人の居場所から10平方メートル(約6畳)程度の範囲内に空気清浄機を設置し、空気のよどみを発生させないように、外気を取り入れる風向きと空気清浄機の風向きを一致させることなども指定されており、空気清浄機であれば何でもいいとか、どこに設置してもいいというわけではありません。

感染症対策として室内空気質を安心な状態に保つには、換気と空気清浄機は「どちらかでいい」ものではなく、「どちらも必要」なものなのです。

空気清浄機を選ぶ際は、パワーの目安となるものに「適用床面積」があります。
これはなるべく適用畳数が大きいタイプを選んでください。適用床面積の数値は規定の粉塵濃度を30分で清浄できる部屋の広さを表しているため、スピーディに清浄したいのなら、適用畳数が大きいタイプの方がおすすめです。花粉やホコリはいったん床に落ちてしまったら空気清浄機での対策は難しくなるので、部屋の広さに対して3~4倍の適用床面積の製品を選ぶと安心です。

また、最近では静電気を利用してフィルターの吸着をアップさせた機種も人気です。
有害物質の除去率は一般的なHEPAフィルターよりも高くなっているので、感染症対策として使用するのであれば特におすすめです。

なお、空気清浄機は空気を常に集めて吸い込み、フィルターに汚れを吸着させているため、フィルターが使用時間に比例して汚れていきます。
そのため、フィルターの清掃や交換といったお手入れもしっかりしなくてはなりません。

空気清浄機の効果を長続きさせるためにお手入れは必要不可欠なので、メンテナンスが簡単なモデルを選んでおけば清潔に使い続けることができます。


定期的な換気を習慣にしよう

外が暑かったり、寒かったりすると換気をするのは気が引けてしまいますが、実は室内に新鮮な空気を取り入れるのは必要なこと。
特にニューノーマル時代においては欠かせないものですので、定期的な窓開けは習慣にしたいところです。また、24時間換気システムや空気清浄機なども上手に活用し、「正しく使う」ことがポイント。室内環境を改善するために、換気方法と空気清浄機の使い方を今一度見直してみましょう。

Text by 石井和美
ブル―エア空気清浄機

家電プロレビュアー
石井和美

白物家電や日用品などを中心に製品レビューを得意としています。レビュー歴15年以上。茨城県守谷市に家電をレビューするための一戸建てタイプ「家電ラボ」を開設、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っています。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。