コラムColumn
花粉が気になる季節、効果的な空気清浄機の置き場所とは
花粉の季節が近づいてきました。みなさんの中にも、毎年花粉症に悩まされているという人は多いのではないでしょうか。実際、日本耳鼻咽喉科学会が2020年に発表した調査によると、日本人のスギ花粉症単体の有病率は38.8%。つまり3人に1〜2人が花粉症ということになります。
中でも心配なのが、こどもの花粉症の急激な増加です。
本調査においても、5-9歳の30.1%、10-19歳では49.5%が発症しているとし、低年齢化が顕著に進んでいるのです。(参考:鼻アレルギーの全国疫学調査2019 (1998年,2008年との比較): 速報 ―耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として―https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/123/6/123_485/_article/-char/ja/)
辛い症状を少しでも抑えるために私たちができることの1つは、花粉そのものに晒されないこと。外出先でマスクやメガネを装着するのはもちろん、家の中に花粉を持ち込まず、入り込んだ花粉はスピーディーに取り除くことが大切です。
肝心なのは、その置き場所。
そこで今回は花粉対策として空気清浄機を使う際の適切な置き場所を紹介します。
そもそも花粉は、どこから侵入するの?
花粉が飛散する日、完全防備で外出し、やっとの思いで帰ってきたのに、家でも不快な症状が全然治らない……。そんな声をよく聞きます。
理由はもちろん、家の中にも花粉が入り込んでいるから。
まずは家に花粉を持ち込まないために、主な侵入経路と対策をチェックしましょう。
1)外出時に洋服や髪についた花粉が落ちる
特に乾燥しがちな季節は静電気が起きやすく、花粉が洋服や衣類に多く付着します。まずは静電気を低減するよう、外出時は、静電気除去スプレーなどでケアしましょう。そして帰宅時は、玄関の外でしっかり花粉を落として。粘着ローラーやハンディクリーナーを使うと便利です。
2)外干しした洗濯物や布団に付着
洗濯物や布団を外干しすると、取り込むときに花粉も一緒に部屋の中に入り込みます。花粉の季節は、室内干ししたり乾燥機を活用したり、外干しは避けましょう。
3)玄関扉や窓の開閉時に侵入
玄関扉や窓を開閉すると、外気とともに花粉も一気に室内に流れ込みます。感染症対策としてこまめな換気が欠かせないいま、換気時の花粉の侵入は悩ましい課題です。
窓開け換気をする際は、できるだけ花粉が少ない時間帯を狙い、それ以外の時間の換気は窓は全開にせずに、網戸や花粉をキャッチする機能性レースのカーテンを活用しましょう。ちなみに1日の中で花粉の飛散ピークは2回あり、1回目が早朝から飛び始めた花粉が降りてくる午前から昼過ぎにかけて、2回目が気温の低下により空気の対流が起こる夕方です。
そのほか24時間換気システムからも外気は取り込まれますので、高性能なフィルターを設置するといいでしょう。
こういった対策をすれば、侵入する花粉の量は減らせますが、残念ながら完全にシャットアウトすることはできません。そこで活躍してくれるのが、空気清浄機です。
花粉対策としての空気清浄機のベストな置き場所
空気清浄機は、室内の空気を吸い込み、花粉やホコリ、ハウスダストなどの有害物質を取り除いてきれいにしてから吹き出す空調家電。一般的には、0.3μmまでの微粒子を99.97%以上除去できるHEPAフィルターを搭載したものが多いですが、花粉の大きさは30μm(0.0003mm)ですから、空気清浄機でじゅうぶん取り除ける大きさの物質となります。
逆にいうと花粉は、他の有害物質に比べると大きくて重いため、床に落ちるスピードが速く、床に溜まりやすい特徴があります。すると今度は、床で過ごす時間が長い赤ちゃんや小さいお子さんが、花粉に触れやすくなってしまいますので、空気清浄機は24時間稼動し、できるだけ空気中を漂っているうちに除去しましょう。
では空気清浄機はどこに置くのがいいのでしょうか。
花粉対策として置く場合、花粉が侵入してくる前に取り除ける場所がベストといえます。
そこで改めて、先述の花粉の侵入経路と花粉量を確認すると、もっとも花粉量が多いのが「3)玄関扉や窓の開閉時に侵入」の約6割と圧倒的。つまり、玄関や窓から侵入する花粉をキャッチできる場所に置くのが効果的ということになります。
中でもベストな置き場所は、衣類についた花粉もろとも取り除いてくれる「玄関」です。
また花粉対策としてリビングで使用する場合は、人の出入りが多く空気が動きやすい入口付近も効果的。
窓開け換気時は空気清浄機の風量を上げ、外気と一緒に入ってきた花粉を一気に吸い込んでしまいましょう。それでも吸いきれなかった花粉は床に溜まってしまうので、こまめな床掃除も重要です。
花粉対策にはパワフルな空気清浄機を
花粉対策として空気清浄機を選ぶ際に重視したいのは、浄化スピードです。
できるだけ花粉に触れる時間を減らせるよう、風量が大きくパワフルなものを選びましょう。
また吸い込み口や吹き出し口の位置も製品によって異なりますが、浮遊する花粉だけでなく、床に近い花粉もキャッチするためには、吸引口が床面に向いていたり、床面近くまで配置されている製品がおすすめです。
大切な家族を花粉から守るためにも、ぜひ上手に取り入れてください。
Text by 田中真紀子
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家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行う白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。
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