コラムColumn
空気と湿度の観点から冬のウイルス対策を考える
新型コロナウイルスの影響が尾を引いたまま、季節は秋、そして冬に突入しようとしている。
さらに冬になれば、毎年新型コロナウイルスよりも多くの死者を出しているインフルエンザへの警戒感も強めていかなければならない。
ただし手洗いやうがい、マスクの着用、空気清浄機の活用など、新しい生活様式の実践により、2020年9月までの国内インフルエンザ罹患者数は大幅に減っているという。
厚生労働省が公表したデータによれば、インフルエンザシーズン(8月末~9月初旬から翌年の第35週までの1年間)の第1週目めとなる8月31日~9月6日に全国約5千カ所の医療機関から報告された患者数は岐阜県、大阪府、沖縄県で1人ずつだった。
例年ならばこの時期ですでに数百人が報告されているといい、インフルエンザが爆発的に流行した昨年は3813人だった。
つまり1000分の1以下にとどまった計算となる。
インフルエンザの患者数が減っているなら、徐々に警戒を緩めても良いのだろうか。緊張と緩和のバランスでストレスを溜め続けるぐらいならば、いっそのこと家電に対策を一任してしまいたくなる。本稿では新しい生活様式の一環として「空気清浄機」と「加湿器」の併用について着目したい。
室内のウイルス対策として湿度管理も重要
ウイルスの活性化には湿度も関係していることから、これからの季節は空気清浄に加え、加湿も重要だ
*
ウイルス対策として「適切な湿度を保つ」ことは有効だ。ウイルスが活性化しにくい環境としては「室温20℃、湿度40%〜60%」が最適と言われており、筆者も1月から5月あたりまで、部屋で加湿器を使用しながら生活していた。
冬は暖房と組み合わせて室温の上昇をアシストし、適切な湿度を保つために加湿器を稼動させ続けた。花粉症の筆者にとっては、適度な湿気が鼻の粘膜を守り、空気中を舞う花粉を地面に落としてくれるという「副産物」もあった。
正直、筆者はこれまで加湿器の重要性をそこまで認識していなかったので、ここまでメリットを享受できるとは思っていなかった。最近はデザイン性に優れた製品も数多くラインナップされており、インテリアや部屋の大きさに合わせて選びやすくなっている。
また、空気清浄機を選ぶ際、コストパフォーマンスの良さや設置スペースを節約できる加湿機能付き空清は確かに魅力的だ。
しかし、「日々のお手入れがめんどくさい」というデメリットもあり、それを怠ると逆効果にさえなりかねない。特に、新型コロナによって空調家電の清潔性に対する意識も高まっている今、お手入れのしやすさは需要だ。小さいこどもがいる家庭の中には、神経を尖らせている人もいるだろう。
筆者が空気清浄機は単機能にこだわるわけ
「HEPASilent®テクノロジー」を搭載し、空気中の花粉、ハウスダスト、PM2.5、ウイルスなど0.1μm以上の微粒子を99.97%除去*するブルーエアの空気清浄機「Blueair Classic」。加湿機能はつけず、空気清浄特化型のパイオニア的存在。(*Camfil社による実証データ。実際の効果は、部屋の状況や使用方法により異なる。)
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空気清浄機の話に戻ろう。
筆者が加湿機能付き空気清浄機でなく単機能の空気清浄機を選ぶ理由はまさにこの「お手入れ」問題だ。加湿機能付き空気清浄機は、加湿フィルターを定期的に水洗いしたり、フィルター周辺のホコリを掃除機で吸ったりといった日常的なメンテナンスが必須のものが多い。
一方で単機能型の空気清浄機はブルーエアを筆頭に、フィルターを丸ごと交換するだけで完了するものがほとんどだ。
ブルーエアはフィルターの交換頻度を「約6カ月*」と設定している。他社製品と比べて期間は短いが、フィルターの機能低下後の使用可能期間を想定しておらず、水洗いや掃除機を使ったホコリの吸い取りといった日常メンテナンスも不要なので、完全に「交換するだけ」で完了する。ズボラな筆者にとってはこちらのほうが信頼度が高い。
フィルターは、どんなにこまめに手入れをしても、使い続けるうちに劣化していくのが当たり前なので、深刻にならないうちに交換し初期性能に戻す…という考えは実に合理的だ。
*1日24時間使用した場合、6ヵ月ごとのフィルター交換が必要
日々のメンテナンスは要らず、6カ月に1回、フィルターを交換するだけなら、ズボラな筆者でも管理できる
*
ランニングコストをとるか、メンテ不要の信頼度をとるか。考え方はさまざまだが、筆者は後者をとることが感染症予防の徹底に寄与すると考えている。
空気清浄機の見直しに加えて、つい先日しまったばかりだと思っていた加湿器をすでに冬に向けて取り出す準備を進めている。
Text by 東 春樹
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